今回は、「白色光の原理」についての説明です。
1.初めに
昼間の太陽光って白く見えますよね?
ですが、空は昼間は青く、夕暮れ時は赤くなります。
よくよく考えると不思議ではありませんか?
太陽の発する光が地球上に届いている点は変わらないのに、何故色が違って見えるのでしょうか??
この記事はタイトルが「白色光の原理」となっていますが、内容としては光の色の見え方や日常生活でよく耳にする赤外線や紫外線とは何なのかなども簡単にまとめています。
※ 空が青や赤に見える理由に関しては別の機会にまとめるかもしれません。
2.白色光について
まず、太陽光は白く“見える”と書いたことにお気付きでしょうか?
この書き方はわざとこうしています。
何が言いたいのかというと、様々な色の集合体が結果的に白に見えているんです。
具体的には、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の七色が均一に含まれた光が白に見えます。
この七色はいわゆる可視光線、人の目で捉えることが可能な色です。
気付いた人がいるかと思いますが、虹の七色ですね。
人の目ではこの七色しか見えないから虹はこんな感じ↓に見えているんです。
白色光が七色により構成されているという事実は、万有引力の法則で有名な物理学者のアイザック・ニュートンが発見しました。
ちなみに、便宜上七色としていますが、実際は間の色(青緑とか)が存在しています。
まあ、当たり前ですけど。
ついでに言うと、国によって虹は二色(暖色と寒色)・五色・六色のように考えられている場合があります。
日本は七色ですし、物理的な観点でも七色なので、日本にいる限りは七色という認識でOKです。
3.色と波長の関係
高校物理で習ったことがあるかもしれませんが、光は屈折します。
屈折とは、異なる媒質を通る時に波が進行方向を変える現象のことです。
※そもそも光は波、電磁波の一種という括りです。
異なる媒質を通るというのは、空気中を通る光が水中に入る瞬間などを指しています。
空気や水が媒質ということです。
プリズム(ガラスや水晶でできた透明な媒質)に光を照射した時の屈折の様子をどこかで見たことがあるのではないでしょうか?
図2のようなヤツです。
知っている人は知っている「Lia」の「Light colors」です。
図2を見てわかる通り、白色光が屈折すると七色に分かれます。
波長(※)が長いほど屈折しづらく、波長が短いほど屈折しやすいです。
※波長:電磁波の1つ分の波の長さのこと。周波数に反比例する。
人間の視覚は光(電磁波)を波長ごとに異なる色として認識するので、プリズムによって波長ごとに分光されると七色に分かれたように見えるわけです。
大体以下のように見えています。
以上の範囲が人の視覚で捉えることができる範囲、可視光線です。
逆に言うと、赤よりも波長が長いもしくは紫よりも波長が短い光は、存在していても私達の目で見ることは不可能です。
この見えない光の一部が赤外線・紫外線です。
4.赤外線と紫外線
赤外線は、可視光線の赤色より波長が長く、紫外線は可視光線の紫色より波長が短いです。
つまり、赤及び紫の外の波長を持つ光をそれぞれ表しています。
だから赤外線・紫外線という名前になっています。
赤外線・紫外線はどのような効果を持つものなのかを簡単に記述しておきます。
赤外線はヒータのような熱を伝える用途としてよく使用されています。
というより、赤外線自体が熱線と呼ばれているようです。
名前が既に熱そうですね。
電気ストーブや電子レンジってよく考えると赤く光ってますよね?
アレは赤外線の波長と赤色の波長が近いからです。
紫外線は日焼けや皮膚病の要因になると言われています。
地球はオゾン層という紫外線を吸収する物質で覆われているので、紫外線はあまり地上表面までは届いていません。
ですが、フロンガスなどの温暖化ガスによってオゾン層が破壊されると言われています。
一時期『地球を守れ』風のスローガンを掲げて世間が騒がしくなっていたような気がしますが、いつの間にか沈静化して全く耳にしなくなりましたね。
あれなんだったんでしょうね?
当時は『地球じゃなくて守りたいのは人間だろ』と思いながら適当に聞き流してましたわ。
ここまで赤外線と紫外線について簡単に説明してきました。
では、赤外線より波長が長い、または紫外線より波長が短い電磁波はどのようになっているのでしょうか?
それらの関係を図示すると以下のようになります。
はい、何か見たこと・聞いたことあるヤツが出てきましたね。
赤外線も紫外線もX線も電波も全部電磁波で波長が違うだけなのです。
不思議ですよねー。
5.白色光の作り方
太陽光は赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の七色が均一に含まれて白く見えると述べました。
これは、自然に作り出された白色光の場合です。
白色光を人工的に作る場合は七色を混ぜ合わせるということはありません。
何パターンか人工的に白色光を作り出す方法があるので、その組み合わせについて記述します。
パターン①:光の三原色を使用する。
赤・青・緑の三色は「光の三原色」と呼ばれています。
「光の三原色」は、混ぜると明るくなっていく三色のことです。
つまり、赤・青・緑の三色の光を混ぜると白く見えます。
この三色があれば人が目で捉えることができる色は表現可能だと言われています。
不思議ですよねー。(二回目)
実際の作り方としては、赤・青・緑のLEDを光らせる方法、もしくは紫LED( もしくは紫外線)を赤・青・緑の蛍光体(光を照射すると別の色の光を放出する材料)に照射する方法があるようです。
ちなみに、「色の三原色」というものもあります。
こちらはシアン・マゼンタ・イエローの三色のことで、「光の三原色」とは逆に混ぜると暗くなっていきます。
シアンやマゼンタはあまり馴染みが無い方もいると思いますが、コピー機のインクの色として使われてたりします。
パターン②:青色LEDと黄色蛍光体を使用する。
こちらは「光の三原色」を使用しない方法です。
青のLEDを黄色の蛍光体に照射することで白色を作り出します。
なんで青と黄色の二色で白になるのかというと、黄色は赤+青、緑は青+黄色で作ることが可能だからです。
不思議ですよねー。(三回目)
「光の三原色」を使用しないと述べましたが、結果的には「光の三原色」に相当する光を作り出す必要があるのです。
以上、「白色光の原理」についての説明でした。