今回は、「そもそも対数とは何なのか?」についての説明です。
1.初めに
高校に入ると唐突に登場する対数ですが、こいつは理系の大学に進むなら長いお付き合いになる項目です。
センター試験の問題にも出てくる範囲なのでしっかりと押さえておきたいところですが、なんか難しそうでイマイチよく理解してないという方が多いのではないでしょうか?
今回はそんな対数について基礎から順番に解説していきたいと思います。
2.対数とは?
今、ある数aをx乗したらbになったとします。
例えば、2を3乗したら2×2×2=8になりますね。
この場合、a=2、b=8、x=3になることはわかりますよね?
ここで言うxのことを対数と呼びます。
意味を理解してしまえば『それだけ?』と感じると思うのですが、教科書などに載っている定義は『対数は何乗しているのかを表す数』とだけ記述されていることが多く、この言葉からは意味が想像しづらいんですよね。
教科書って基本不親切なんですよ。
なので、『対数=難しい』と感じてしまう方が多いんですね。
3.logという記号について
次は対数を表す“log”という記号について考えていきます。
先程も登場した「ある数aをx乗したらbになる」という関係は、指数を用いて表すと以下のようになります。
ax=b
このxが対数となるわけですが、xをaとbを使って表すにはどうすれば良いでしょうか?
aとbだけでは表せそうにないですよね?
そこで定義されて登場するのが“log”という記号です。
“log”という記号を用いてax=bという関係のxを表すと、以下のようになります。
x=logab
この時、小文字になっているaの部分を底(てい)と呼びます。
ついでに言うと、bは真数と呼びます。
この関係から、xはaを底とするbの対数とよく記述されています。
また、底と真数の条件がa>0且つa≠1,b>0になっている関数のことを対数関数と呼びます。
このように“log”を定義することで、すぐに思いつかない対数も記号で表現することが可能になります。
どういう事かと言うと、例えば2をx乗して2になる数はlog22=1だとすぐにわかりますよね?
ですが、2をx乗して3になる数ってすぐに思い付きますか?
小数点で表現すれば存在するのでしょうけど、パッと思い付きませんよね?
ですが、“log”を用いることでlog23という形で表現することができるようになります。
“log”は関数電卓に組み込まれているので、この形にしてしまえば簡単に計算に用いることができます。
“log”を使用した式の構成にはこれと言った覚え方はないので、単純に指数と対数の式を横並びにして覚えるのがおすすめです。
一応常にbが一番右に来るので、そこだけ覚えておけばそこそこ忘れなくなります。
補足ですが、対数を表現するためにlogという記号を定義したわけなので、「対数=log」ではありません。
なのですが、“log”が出てくる=対数の話になってくるからか、対数のことを“log”と呼んでいるような節が無いとも言えません。
厳密には違うものを指しているけど、対数=logというイメージを持つ…くらいがちょうど良いかもしれませんね。
ちなみに、対数は英語で[logarithm]と書くので、“log”とは対数を英語表記して頭文字の3文字から取って付けた名前だったりします。
また、底をネイピア数eとした対数関数のことは、自然対数と呼びます。
loge2とかですね。
自然対数に関しては、底であるネイピア数は省略してlog2のように記述するのが一般的ですので、その点は注意しましょう。
4.底と真数の条件
対数とそれを表す記号である“log”の関係は大体わかったと思うので、次は底と真数の条件について触れていきます。
x=logabという式が成り立っていた場合の底と真数の条件は以下の通りです。
a>0且つa≠1 b>0
基本的に対数が複数になるものは除外すると覚えましょう。
例えば、底が“1”だった場合、何乗しようが真数は“1”にしかならないですよね?
つまり、log11=xの形になります。
この式を満たすxは無限に存在しますよね?
このような状況にならないように最低限の条件が決められているわけです。
他の条件についても試しに当て嵌めてみると符号がマイナスになって解が複数になったりするはずなので、試しに計算してみるのもいいかもしれません。
そうすると記憶に定着しますよ?
以上、「そもそも対数とは何なのか?」についての説明でした。