今回は、『旧い』と『古い』の意味の違いについてです。
基本的に結論だけ見ておけば知りたいであろう内容は載っていると思います。
より詳しく、雑学として知っておきたい場合は以降の項にも目を通してみましょう。
1.結論
辞書上で「旧い」と「古い」には意味の違いはありません。(ついでに「故い」も)
ただ、常用漢字としては「古い」しか存在しないので、公的な文書では「古い」で統一しておく方が無難です。
2.辞書から考える
辞書にて「旧い」と「古い」について調べると、同じ意味として取り扱われています。
ふる・い【古い/▽故い/▽旧い】
引用:weblio国語辞典 デジタル大辞泉
読み方:ふるい
[形][文]ふる・し[ク]
1 その状態になってから長い年月が経過している。
㋐そうなってから久しい。ずっと以前から現在にまで続いている。「—・い制度」「—・いレコード」「—・くからの顔ぶれ」⇔新しい。
㋑昔の出来事である。「—・い話を持ち出す」⇔新しい。
2 時代遅れである。古風である。また、珍しくない。「感覚が—・い」「その手はもう—・い」⇔新しい。
3 食べ物などが、新鮮でない。「—・いりんご」⇔新しい。
ついでに「故い」なんてものも存在することをここで初めて知りました。
3.標準統合辞書から考える
PCで日本語入力をする時に漢字に変換する為にスペースキーを押しますよね?
その際、予測される候補がいくつか出てきて、場合によっては簡単な意味が表示されます。
この候補が標準統合辞書という名前だったので、「ふるい」についても確認してみました。
すると、以下のように表示されます。
「旧い」…時代遅れ⇒古い※常用外
「古い」…年月を経ている、新鮮でない⇔今
一瞬意味が異なるように見えますが、「旧い」の意味に「古い」がありますし、「旧い」に関しては常用外の漢字だということがわかりますね。
ということは、公的な文書で「旧い」を使うのは望ましくないので、基本は「古い」に統一していくのが無難だと言えます。
4.熟語から考える
「旧い」も「古い」も同じ意味ということで問題無さそうですが、一応熟語から違いが無いかも考えておこうと思います。
辞書における「1.長い年月が経過している」の意味がしっくりきますね。
「昔」と訳すのが適している気がします。
場合によっては「2.時代遅れ」の意味も当て嵌まりそうですが…どうなんですかね?
結局は「旧い」も「古い」も「1.長い年月が経過している」の意味で使われていることが多そうですね。
差は無さそうです。
以上、『旧い』と『古い』の意味の違いについてでした。