今回は、『エチケット』と『マナー』の意味の違いについてです。
基本的に結論だけ見ておけば知りたいであろう内容は載っていると思います。
より詳しく、雑学として知っておきたい場合は以降の項にも目を通してみましょう。
1.結論
「エチケット」は特定の相手を不快にしないように配慮する礼儀作法のこと、「マナー」は不特定多数での集団行動時に周りを不快にしないように配慮する礼儀作法のことです。
今目の前にいる相手(複数人も該当)に配慮したルールが「エチケット」、社会的な集団行動に配慮したルールが「マナー」という認識で問題無いです。
2.辞書から考える
まずは「エチケット」の意味です。
礼儀作法。
引用:weblio国語辞典 デジタル大辞泉
うん、簡潔で良いですね。
次に、「マナー」の意味です。
態度。礼儀。礼儀作法。「—のいい人」「テーブル—」
引用:weblio国語辞典 デジタル大辞泉
ということで、辞書の意味から比較はできませんでした。
どちらも外来語で、日本語に訳すと同じ意味になってしまうんですね。
3.語源から考える
「エチケット」の語源は、フランス語の[étiquette]と言われています。
意味は[ラベル・貼り付ける]です。
フランスでは、昔は手紙を出す時などに相手の身分や階級に合わせた荷札を貼り付けていたそうです。
要するに、相手によって対応を変えていたんです。
これが日本語としてのエチケットの潜在的な意味にも結びついているのか、エチケットというと「特定の相手への礼儀作法」を指すようになっています。
つまり、目の前の相手を不快にさせないような配慮のことをエチケットと呼びます。
4.実際の使用ケースから考える
テーブルマナーってありますよね?
忌み嫌われているマナー講師が提唱する謎の「マナー(礼儀作法)」は置いといて、「フォークは左手・ナイフは右手・床に落ちたものは口に入れない」程度の「マナー」は常識ではあるかと思います。
これらの「マナー」ですが、家に一人で居る時も守りますか?
身に沁み込んでいるから無意識に守っている人もいるでしょうけど、3秒ルールとか言って床に落ちたものを拾って食べる人もいるでしょうし、肉をナイフで切り分けたら後は右手でフォークを持って食事をする人もいるでしょう。
これらの「マナー」を守るのは、レストランなどに行って周りに人がいる状況です。
他には、電車にも「マナー」はありますよね。
「健康な人は優先席を譲る・優先席付近ではスマートフォンの電源は切る・大声で騒がない」辺りは常識でしょう。
この「マナー」は、電車に乗っているから守っている「マナー」です。
これらの「マナー」について考えると、共通点が存在することがわかります。
それは、「マナー」は「不特定多数の人が居る公共の場での常識的な行動を指している」という点です。
つまり、特定の場所で集団行動する際に、周りを不快にさせてしまうような行動を規制するような礼儀作法が「マナー」なのです。
一旦まとめると、「エチケット」は特定の相手を不快にしないように配慮する礼儀作法のこと、「マナー」は不特定多数での集団行動時に周りを不快にしないように配慮する礼儀作法のことを指していると言えます。
ここからは、実際に礼儀作法・ルールをどんな風に「エチケット」と「マナー」に分類しているのか、例を挙げていきます。
ただ、「エチケット」と「マナー」は意味が重複することも少なくないので、イメージ程度に捉えておくのが吉です。
以上、『エチケット』と『マナー』の意味の違いについてでした。