今回は、「Webサイトのマーケティング用語」についての説明です。
1.初めに
Webサイトを運営する側になると、そのWebサイトがどの程度閲覧されているか、広告がどの程度閲覧されているかなどの情報を見かける機会が出てきます。
ただ、微妙に用語の種類があるせいで、初見だとどの用語が何を指しているのかがよくわからなかったりします。
一見似た意味の用語もありますしね。
そこで、今回はWebサイトへのアクションに関するマーケティング用語として、PV・リーチ・インプレッション・フリークエンシー・エンゲージメントの意味についてまとめてみました。
2.PVとは?ページビューとは?
PVとは、[Page View(ページ表示)]の略称です。
その為、ページビューと呼ばれていることもあります。
[preview(試写・内覧・鑑賞)]とはちょっと違います。
PVとは、実際に閲覧されたWebページの回数のことです。
誰が何回Webページを表示したかは関係ありません。
純粋に何回表示されたのかを表している数値です。
その為、同じ人間が何度もWebページをリロードしたとしても、PV数は上がります。
例えば、あるWebページをAさん・Bさん・Cさんが1回ずつ閲覧したとします。
この時のPV数は“3”となります。
ですが、ここからAさんがWebページを2回リロードしたとすると、PV数は“5”ということになります。
まあ、実際のところ何度もWebページをリロードすることはほとんど無いので、「あるWebページのPV数=Webページに訪れたユーザ数」だと思ってくれれば良いです。
ちなみに、PV数はWebページ単体ではなくWebサイト全体のものも計測できます。
Webサイト単位で考えた場合、同Webサイト内の別のWebページを閲覧しているユーザがいてもおかしくはないので、「PV数=Webサイトを訪れたユーザ数」とは一概に言えなくなります。
3.リーチとは?
リーチとは、あるWeb広告を閲覧したユーザ数のことです。
Webページの表示回数ではありません。
Webページに掲載された広告の表示回数です。
広告が掲載され、その広告をあるユーザが閲覧すると“1”とカウントされます。
ただ、同じ広告を同じ人が別のWebページで閲覧した場合、リーチは“1”のままになります。
つまり、純粋にその広告を閲覧したユーザの数をカウントしていることになります。
ただ、実際は穴があります。
リーチをカウントする際は、広告を閲覧している端末ごとにユーザの識別を行っています。
では、あなたは情報端末を1つしか持っていませんか?
そうとは限りませんよね。
パソコン・スマートフォン・タブレットなど、情報端末を複数個所持している人は珍しくありません。
あくまでも広告を閲覧した端末ごとにリーチのカウントが上がるので、例え同一人物だとしてもパソコンとスマートフォンから別々に広告を閲覧したのなら、リーチは“2”になるんです。
その点は勘違いしないようにしましょう。
ちなみに、混同しやすい用語は後述のインプレッションです。
4.インプレッションとは?
インプレッションとは、Web広告が掲載された数のことです。
英単語としては[impression(印象・感銘・情感)]になります。
例えば、あるWebページの最上部に1つ、最下部に1つの広告が掲載されていたとします。
これらの広告を1人のユーザが閲覧した場合、インプレッションは“2”になります。
2人のユーザが閲覧したのなら、インプレッションは“4”になります。
とにかく、誰かしらに広告を閲覧されるとインプレッションが上がるのです。
この時、広告の種類は考慮しません。
同じ広告だろうが、違う広告だろうが、2つ広告があったのならインプレッションは“2”です。
リーチとよく混同されている用語ですが、リーチはユーザ数でインプレッションはWeb広告掲載数をカウントしているので、全くの別物だとわかります。
また、インプレッションの場合はWeb広告が掲載された数であって、“同じ”Web広告が掲載された数ではありません。
なので、広告側がどんな人にどの程度閲覧されているのかをカウントして調査しているというより、Webサイト側がWebページに配置した広告をどの程度目に入れてもらっているのかを表す指標になっています。
なので、広告を多数配置した割にはインプレッションが低かったとすると、「Webページの内容が閲覧者の要求を満たしていなくてすぐにブラウザバックされている」だとか、「広告が多過ぎて読む気が失せてブラウザバックされている」だとか、何かしらの問題があることを意味することになります。
ちなみに、インプレッションのカウント方法はその広告の掲載元によって変化します。
先程例に挙げましたように、あるWebページの最上部に1つ、最下部に1つの広告が掲載されていたとすると、記事を読み終えた時点でそのWebページを閉じると最下部の広告は閲覧されていない可能性が出てきます。
私のブログを例にすると、記事の解説が終わった後は真下に自動で関連記事などを表示するようにしているので、最下部に広告を配置するとそこまでページをスライドさせる必要が出てくるんです。
このように、Webページには2つの広告が配置されているけど片方しか閲覧されなかった場合、掲載元によってインプレッションが“1”になる場合と“2”になる場合があるのです。
併せてPVがカウントされている場合、PVに対してインプレッションが妙に少ない場合は実際に表示されずにインプレッションに計数されていない広告が多数あるということがわかります。
そんな時はWebページの構成をちょっと考え直した方が良いかもしれませんね。
5.フリークエンシーとは?
フリークエンシーとは、あるユーザが広告を閲覧した数のことです。
特定の一人のユーザに焦点を当てて、そのユーザに広告が何度表示されたかを計測しています。
私は電気分野の人間なので、英単語の[frequency]は[周波数]という意味で覚えています。
ですが、ここで出てくる[frequency]は[頻度]という意味です。
そう考えるとフリークエンシーが指す意味にも納得できますね。
ニュアンスがリーチと似ていますが、リーチは特定の広告を閲覧したユーザの数を測っていて、フリークエンシーは特定のユーザが閲覧した広告の数を測っています。
こうやって並べてみると、観点が異なっていることがわかりますね。
そもそも、フリークエンシーはインプレッション(広告が閲覧された数)をリーチ(特定の広告を閲覧したユーザの数)で割ったものとなります。
インプレッションは同じ人が何回も同じ広告を閲覧した場合も計数されるので、誰彼構わず広告が表示された数を表して、それを広告を見ている本当の人数であるリーチで割っています。
だから、ユーザ一人当たり何回広告を閲覧しているのかが算出されるというわけです。
6.エンゲージメントとは?
英単語の[engagement]の意味を調べると[婚約・契約・約束・雇用]などの様々な候補が出てきますが、マーケティング用語としての[engagement]は[関心・親近感・愛着]という意味で使用されます。
具体的には、マーケティング用語としてのエンゲージメントは広告やSNSの投稿に対するユーザの関心の行動の回数を指しています。
要するに、「いいね!」やらハートを付けたり、コメントをしたり、シェアをしたり、広告表示された製品を購入したりといったユーザのアクションの回数がエンゲージメントに当たります。
広告や投稿に対してユーザの反応が悪かった場合、エンゲージメントはカウントされません。
なので、広告や投稿がどの程度興味を持たれているかという指標がエンゲージメントになるわけです。
PV・リーチ・インプレッション・フリークエンシーと似た用語として何故かエンゲージメントが並べられていることが多いのでここに意味を記載しましたが、どこが似た用語と勘違いされているところなんでしょうかね?
そこだけは疑問です。
以上、「Webサイトのマーケティング用語」についての説明でした。