今回は、「フリーソフトとフリーウェア」についての説明です。
1.初めに
世の中には、無料で公開されているソフトウェア・アプリケーションがありますよね?
スマートフォンにて、LINEやTwitterなどのSNSのアプリ、QRコードリーダーなど、何気なくインストールしているモノがあるでしょう?
無料のソフトウェアを公開しているWebページに広告を付けてあったり、アプリ内で広告が表示されたり、そもそも金銭目的以外で公開する利点があったりと、無料で公開している理由は様々でしょう。
今回は、そんな無料で公開されているソフトウェアの呼び名や区分について説明していきます。
2.フリーソフト?フリーウェア??
皆さんは、無料で公開されているソフトウェアのことを何と呼んでいますか?
おそらくフリーソフトと呼んでいるのではないでしょうか?
実はこれ、違います。
勘違いしている人が多いのですが、無料で公開されているソフトウェアは、フリーソフトではなくフリーウェアです。
では、フリーソフトとは何なのかと言うと、自由に取り扱いできるソフトウェアのことを指しています。
それぞれ別途説明していきますね。
3.フリーソフトとは?
フリーソフト[free software]とは、[free(自由)]なソフトウェアを指しています。
何が自由なのかと言うと、使用・複製・変更・改変・配布が自由です。
ソースコードが公開されているので、中身を好き勝手に弄れるんです。
そう、取り扱いは自由なんですけど、無料という意味は無いんですよ。
なので、有償で改変が可能なソフトウェアがあったとしたら、それはフリーソフトという扱いになります。
無料のフリーソフトが無いとは言いませんが、本来の意味の中に無料は含まないのです。
4.フリーウェアとは?
フリーソフトとは違って無料のソフトウェアを指しているのがフリーウェア[freeware]です。
フリーウェアは、無料である代わりにソースコードが公開されていません。
要するに、無料だけど改変はできないのです。
フリーソフトとは特徴が反転しているわけです。
フリーソフトとフリーウェアで名称が似ているから、「無料で配布されていて利用者が好きにしていいソフトウェアがフリーソフト」みたいな勘違いがされているんでしょうね。
5.呼び名は機関で決められている
フリーソフトとフリーウェアという呼び名ですが、実際に公的な機関によってこのように呼ぶように定められています。
ネットで誰かが口走ったものが広まったパターンではないんです。
これらの呼び名は、フリーソフトウェア財団(FSF)が定義しています。
ですが、実際は誤用が定着していて、無料で配布されているソフトウェアもフリーソフトと呼んでいることが大半です。
一般的な利用者としては、ソフトウェアのことをソフトと呼ぶので、フリーになってるソフト=フリーソフト=無料というイメージが定着したのでしょう。
頭の片隅では『それは本当は違うんだよ?』と突っ込んであげましょう。
言葉に出すと細かいことを指摘してくる面倒くさいヤツか知識をひけらかしたがる面倒なヤツと思われるので気をつけてね(笑)
6.OSSとは?オープンソースソフトウェアとは?
フリーソフトはソースコードが公開されていて改変が可能だが無料とは限らないソフトウェア、フリーウェアはソースコードが公開されておらず改変が不可能だが無料なソフトウェアでした。
では、ソースコードが公開されていて改変が可能で無料なソフトウェアがあった場合、そのソフトウェアは何と呼ぶのでしょうか?
フリーソフトにもフリーウェアにも該当しませんよね?
このようなソフトウェアのことを、OSS[Open Source Software(オープンソースソフトウェア)]と呼びます。
ソースコードを公開している無償のソフトウェアです。
ただし、利用における規約が全く存在しないというわけではないです。
OSD[Open Source Definition(オープンソースの定義)]と呼ばれる10箇条から成るガイドラインを満たしている必要があります。
代表的なOSSとしては、OSであるLinuxやプログラミング言語のJavaやPythonなんかが該当します。
ちなみに、ソースコードが公開されておらず改変が不可能で有料なソフトウェアはプロプライエタリソフトウェア[proprietary software]と呼びます。
[proprietary]は[独自・私的]という意味なので、英語から意味がなんとなく想像できますね。
基本的にソフトウェアのソースコードは知的財産なので、寧ろプロプライエタリソフトウェアであることの方が多いです。
無料にしたり、改変や複製を可能にすることにメリットがあるのなら別ですけどね。
以上、「フリーソフトとフリーウェア」についての説明でした。