今回は、「円盤状のメディアの違い」についての説明です。
1.初めに
音楽を聴きたくなったり、アニメや映画を見たい時に、CDやDVDやBDを借りたことはありませんか?
昨今はインターネット上のストアで曲を単品で買えたり、AmazonプライムやNetflixなどのサービスでアニメや映画を見放題になっています。
なので、若い方だとあまり身近に感じないかもしれませんが、電気屋やコンビニで円盤状のメディアを見たことくらいはあるかと思います。
CDとDVDの違いはわかるかもしれませんが、DVDもBDもどちらもアニメ・映画を見れるメディアです。
違いは何か知っていますか?
また、店頭で売っているCDの包装を見ると、CD-RとかCD-ROMという具合に、なんか後ろに謎の文字列が並んでいます。
この文字列は何を表しているのか知っていますか?
今回は、そんなCD・DVD・BDの違いや文字列の意味について解説していこうと思います。
2.CDとDVDとBDの違いと共通点
後程CDとDVDとBDについて個別に補足説明していきますので、まずは何が違うのかを説明していきます。
違いを簡潔に述べると、以下のようになります。
- CD…音楽を販売するためのメディアとして開発されたディスク。
- DVD…CDの上位互換であるディスク。容量が増え、映像にも対応できるようになった。
- BD…DVDの上位互換であるディスク。DVDの次世代機で、容量が桁違いに増えた。
つまり、音楽用途でCDが開発され、映像にも対応したDVDが次に開発され、そこからより容量を拡張したBDが開発されたわけです。
大まかな違いはこれだけなんです。
CD→DVD→BDという順番で上位互換品が開発されたようなものなので、共通点も存在します。
それは、材質や形状です。
CD・DVD・BD、何れも直径8cm(※)もしくは12cmの中心に穴の空いた薄い円盤状で、材質はプラスチック製です。
※ BDだけは12cm固定となる。
そもそも、CD・DVD・BDの“D”は[Disc(円盤)]のことで、ディスクはIT用語としては円盤状のメディア(記憶媒体)のこと、またその媒体を使用したストレージ(補助記憶装置)のことを指しています。
だから、円盤状になっているのは当然なんですね。
ちなみに、破棄する時はデータを読み取られないように破壊する必要があるのですが、プラスチック製なので普通に手でへし折って燃えるゴミで問題無かったりします。
ただ、地域によってはそうでもないかもしれないので、詳しくは自治体の処分方法に従ってください。
3.CDの補足説明と種類
CDとは、英語で[Compact Disc]と書きます。
直訳すると[小さくまとまった円盤]になります。
つまり、円盤状に小さくまとまったメディアがCDということです。
容量は数百MB程度です。
CDドライブ(CDの読み取り機)に入れると高速で回転し出し、そこにレーザー光を照射してアレコレすることで読み書きが可能になります。
少なくとも高速回転するので、結構うるさいです。
先程述べたように、CDは音楽を販売するためのメディアです。
昔は音楽を販売するためにはレコードやカセットテープが使用されていたのですが、CDが普及することで置き換わっています。
そういやカセットテープとか全く見なくなったなぁ…。
そんなCDですが、以下のような種類が存在します。
CD-R
CD-Rとは、英語で[Compact Disc Recordable]と書きます。
つまり、記録可能[Recordable]なCDということです。
出荷時はデータが何も書き込まれていない真っ新な状態になっていて、購入者が自分で記録します。
「記録可能」という名称から、『iTunesとか使って自分の好きな曲を書き込んで再生できるようになるCDか』くらいに思いますよね?
ここに注釈が付きます。
一度だけ記録可能なCDです。
はい、一度書き込んだらそれっきりです。
修正は利きません。
その為、間違えて書き込んでしまったらそのCDはただのゴミに成り果てます。
『ちょっと一曲だけ変更したい』などの融通は利きません。
その分安いですけどね。
CD-ROM
CD-ROMとは、英語で[Compact Disc Read Only Memory]と書きます。
つまり、読み取り専用[Read Only Memory]のCDということです。
出荷時に専用の装置でデータが書き込まれていて、購入した人がデータを消去したり上書きすることはできないようになっています。
あくまで読み取りのためのCDなのです。
購入したプリンタにくっついてくるCDとかがCD-ROMですね。
ちなみに、ROMという製品は別に存在しますが、そちらは本当の意味で[Read Only]にはなっていなかったりします。
CD-RW
CD-RWとは、英語で[Compact Disc ReWritable]と書きます。
つまり、書き換え可能[ReWritable]なCDということです。
出荷時はデータが何も書き込まれていない真っ新な状態で、iTunesなどで好きな曲のリストを作ってそれを元にCD-RWに書き込み、音楽を再生することが可能というわけです。
名称通り何度でも書き換えできる点が大きな特徴ですね。
ちなみに、普通に音楽以外のデータを書き込んで、データ移動用として使用することも可能です。
また、覚えておく必要はないですが、CD-RWはデータを上書きしているのではなく、一度データを全消去してから改めてデータを書き込んでいます。
このように、種類によっては一度書き込んだら修正が不可能なものもあるので、購入する時はどの種類なのかしっかり確かめましょう。
ね、8年前くらいの私??(一敗)
4.DVDの補足説明と種類
DVDとは、英語で[Digital Versatile Disc]と書きます。
直訳すると[デジタルな用途が広い円盤]になります。
つまり、なんか色んな用途があるメディアがDVDということです。
CDは音楽にしか対応していませんでしたが、DVDは音楽に加えて映像にも対応するようになったので、「用途が広くなった」と言っているわけですね。
DVDの容量は4.7GB~です。
CDの容量は数百MBだったので、容量は大きく改善されています。
まあ、音と映像ではデータ量が大きく異なるので当然ではありますけどね。
以上の理由により、DVDはCDのほぼ上位互換品だと思ってくれれば良いです。
そんなDVDですが、以下のような種類が存在します。
- DVD-R
- DVD-R DL
- DVD-RAM
- DVD-ROM
- DVD-RW
- DVD+R
- DVD+R DL
- DVD+RW
DVD-R、DVD+R
DVD-Rとは、英語で[Digital Versatile Disc Recordable]と書きます。
つまり、記録可能[Recordable]なDVDということです。
出荷時はデータが何も書き込まれていない真っ新な状態で、購入者がそこにデータを記録していくわけです。
ただ、一度だけ記録可能という注釈が付きます。
厳密には容量の範囲内でなら小分けにして何回でも書き込みが可能ですが、容量いっぱいになるとそれ以上は一切書き込めなくなります。
その性質から、追記型と呼ばれています。
あくまで空いている箇所に書き込んでいくので、一度書き込んだ内容は修正不可能という点は勘違いしないようにしましょう。
DVD-Rとほぼ同じ機能を持っているディスクにDVD+Rというものがあります。
違いは、DVD-RがDVDフォーラムという会社の規格に則って製作されたディスクで、DVD+RがDVD+RWアライアンスという会社の規格に則って製作されたディスクだというだけです。
先に作ったのがDVDフォーラムで、後から作ったのがDVD+RWアライアンスです。
その道の方々にとっては色々違いがあるのでしょうけど、一般人にとってはどちらも変わりません。
一応“-”が付いているか“+”が付いているかでどちらの会社が作ったのかは判断できます。
DVD-R DL、DVD+R DL
DVD-R DLの[DL]とは、[Dual Layer/Double Layer]のことです。
つまり、DVD-Rが[二つの層]になるんです。
どういうことかと言うと、DVD-Rが一層だとすると、DVD-R DLはDVD-Rが二枚重なって二層になったのと同等の性能を持っているということです。
もっと簡単に言えば、容量が約二倍になります。
後ろにDLが付いてたら『容量が大きいヤツか』程度の認識を持っていれば問題ないです。
DVD-R DLとほぼ同じ機能を持っているディスクにDVD+R DLというものがあります。
DVD-Rの時に説明したように、DVDフォーラムという会社の規格に則って製作されたディスクか、DVD+RWアライアンスという会社の規格に則って製作されたディスクかという違いしかありません。
DVD-RAM
DVD-RAMとは、(多分)英語で[Digital Versatile Disc Random Access Memory]と書きます。
何故多分なのかというと、調べても厳密に何の略なのか出てこなかったからです。
RAMとは、読み書きが自由なCPUのための記憶装置のことです。
DVD-RAMに関しても例に漏れず、何度でも書き込みが可能なDVDを指しています。
後述のDVD-RWと機能が被っているのですが、決定的な違いがあります。
それは、書き込み方法です。
DVD-RWにデータを書き込む場合、一度データを全消去してから改めてデータを書き込む必要があります。
それに対してDVD-RAMは、ファイルやフォルダ単位で書き換えが可能です。
つまり、DVD-RAMの方が事細かな管理に向いているんです。
その特性から、DVD-RWは一般的なDVDプレイヤー向け(頻繁にデータを書き換えない)、DVD-RAWはPC向け(比較的データ書き換え頻度が高い)という具合に使い分けられています。
ただ、問題点もあり、DVD-RAMにはDVD-RAMに対応したドライブ(データを読み書きする装置)がセットで必要になります。
書き込みが可能なDVDは、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMの三種類に分けることができます。
この内、DVD-RとDVD-RWは似たようなものなのですが、DVD-RAMだけ書き込み方の他にも違いがちょくちょくあり、互換性がほぼありません。
なので、DVD-RとDVD-RWに対応したドライブだったとしても、DVD-RAMにも対応しているとは限らないのです。
まあ、技術は日々進化しているので最近はどうなのかわかりませんが。
DVD-ROM
DVD-ROMとは、英語で[Digital Versatile Disc Read Only Memory]と書きます。
つまり、読み取り専用[Read Only Memory]のDVDということです。
出荷時に専用の装置でデータが書き込まれていて、購入した人がデータを消去したり上書きすることはできないようになっています。
あくまで読み取りのためのDVDなのです。
映画とかドラマのDVD、ビデオゲームのディスク型のカセットなんかはDVD-ROMですね。
基本的には読み書き両方できた方が便利ではあるのですが、これらの用途のDVDのデータがちょっとした操作ミスで消えたらまずいですよね?
その為、データをわざと上書きできなくした方が良い場合もあるのです。
DVD-RW、DVD+RW
DVD-RWとは、英語で[Digital Versatile Disc ReWritable]と書きます。
つまり、書き換え可能[ReWritable]なDVDということです。
出荷時はデータが何も書き込まれていない真っ新な状態で、購入者がそこにデータを記録していくわけです。
名称通り、何度でも書き換えできる点が大きな特徴ですね。
ちなみに、覚えておく必要はないですが、DVD-RWはデータを上書きしているのではなく、一度データを全消去してから改めてデータを書き込んでいます。
DVD-RWとほぼ同じ機能を持っているディスクにDVD+RWというものがあります。
DVD-Rの時に説明したように、DVDフォーラムという会社の規格に則って製作されたディスクか、DVD+RWアライアンスという会社の規格に則って製作されたディスクかという違いしかありません。
種類が多いように見えますが、CDと命名則が被っているものは意味するところもほぼ同じですし、“-”と“+”の違いは一般人にとっては無いに等しいので、そこまで新たに覚える内容は無かったりします。
5.BDの補足説明と種類
BDとは、英語で[Blu-ray Disc]と書きます。
普通にブルーレイディスクと呼ばれていることが多いです。
直訳すると[青い光の円盤]になります。
つまり、青い光を用いてなんかする円盤状に小さくまとまったメディアがBDということです。
何故か[Blue-ray]ではなく、[Blu-ray]なんですよね。
BDはDVDの上位互換で、容量が桁違いに増えたという説明を最初にしました。
DVDは4.7GB~だと述べましたが、BDは片面一層構造のものでも25GBになります。
BDは片面四層構造まで開発されていて、四層なら128GBになります。
うん、桁違いですね。
詳しい原理は置いておきますが、青い光(波長の短い光)を使うと容量を増やせるのです。
そんなBDですが、以下のような種類が存在します。
- BD-R
- BD-R DL
- BD-R XL
- BD-RE
- BD-ROM
BD-R
BD-Rとは、英語で[Blu-ray Disc Recordable]と書きます。
つまり、記録可能[Recordable]なBDということです。
出荷時はデータが何も書き込まれていない真っ新な状態で、購入者がそこにデータを記録していくわけです。
ただ、一度だけ記録可能という注釈が付きます。
厳密には容量の範囲内でなら小分けにして何回でも書き込みが可能ですが、容量いっぱいになるとそれ以上は一切書き込めなくなります。
その性質から、追記型と呼ばれています。
あくまで空いている箇所に書き込んでいくので、一度書き込んだ内容は修正不可能という点は勘違いしないようにしましょう。
要するに、DVDとDVD-Rの関係と同じです。
BD-R DL、BD-R XL
BD-R DLは片面二層構造で容量が50GB、BD-R XLは片面三層構造で容量が100GBもしくは片面四層構造で128GBの容量になります。
[DL]に関してはDVD-DL同様に[Dual Layer/Double Layer]のことなのですが、[XL]は謎です。
三層だったり四層だったりするので、数学で変数をxと置くのと同じ要領で”X”にしてあるだけかもしれませんね。
それなら五層や六層を開発しても名称変える必要が無いですし。
容量が多いに越したことは無いのですが、層数が増えるとそれに対応したドライブが必要になります。
その為、25GBで事足りるなら普通にBD-Rを選択するのが無難だったりします。
ちなみに、後述のBD-REにもDLとXLは存在します。
BD-RE
BD-REとは、英語で[Blu-ray Disc Rewritable]と書きます。
つまり、書き換え可能[Rewritable]なBDということです。
出荷時はデータが何も書き込まれていない真っ新な状態で、そこにデータを記録していきます。
名称通り、何度でも書き換えできる点が大きな特徴ですね。
書き換え回数に上限は存在しますが、一万回以上は問題ないので気にする必要は無いです。
説明を見て気付いたかもしれませんが、DVD-RW[Digital Versatile Disc ReWritable]の”RW”と意味するところが全く同じです。
どちらも[rewritable]ですしね。
…なんでRWをREに変えちゃったんですかね??
BD-ROM
BD-ROMとは、英語で[Blu-ray Disc Read Only Memory]と書きます。
つまり、読み取り専用[Read Only Memory]のBDということです。
出荷時に専用の装置でデータが書き込まれていて、購入した人がデータを消去したり上書きすることはできないようになっています。
あくまで読み取りのためのBDなのです。
6.最後に
CD・DVD・BDの違いは理解できたでしょうか?
簡単にまとめると、音楽用途でCDが開発され、映像にも対応したDVDが次に開発され、そこからより容量を拡張したBDが開発された、これだけです。
後ろにくっつく文字列の意味するところもCD・DVD・BDの垣根を超えて共通していることが多いので、まとめて覚えてしまうと何かと楽になるかと思います。
まあ、忘れたらまた調べれば良いのです。
以上、「円盤状のメディアの違い」についての説明でした。