【基礎から学ぶ電気回路】 スター結線の相電圧と線間電圧の関係

今回は、「スター結線の相電圧と線間電圧の関係」についての説明です。

１．ポイント

２．スター結線とは？

三相交流回路の結線方法は2種類あります。
スター結線とデルタ結線です。
本記事ではスター結線について説明していきます。

スター結線はY結線とも呼びます。

図1を上下反転させて見るとY字になっていることがわかると思います。
これがスター結線(Y結線)です。

３．Y－Y結線

では、スター結線を使って実際にどのような回路を構成しているか説明していきます。

図2のように単相交流側と負荷側をどちらもスター結線で構成した回路をY－Y結線回路と呼びます。

初見ではGNDがどこなのかよくわからず普通に混乱するであろう結線方法ですね。
なんでこんな結線方法が成り立っているのか順序を追って説明していきます。

まずは、三相交流を構成する1つ1つの単相交流を別々に負荷と繋ぎます。

これらを以下のように配置します。

ここで中央の3本の線(帰路)を1本にまとめます。

この電源側と負荷側を結ぶ共通点(点O及び点O’)のことを中性点、電源側と負荷側を結ぶ共通線(線分O-O’)のことを中性線と呼びます。
この状態では4本の電線で電源側と負荷側を接続しているので、三相四線式と呼びます。

「そもそも三相交流とは何なのか」の説明でも述べましたが、三相交流において各瞬時値電流の総和は0になります。
なので、帰路を1つにまとめて中性線で結ぶと、中性線には電流が流れなくなります。
よって、中性線は省略可能となります。

そこで、図5から中性線を取っ払うとY－Y結線回路ができあがるわけです。
この状態では3本の電線で電源側と負荷側を接続しているので、三相三線式と呼びます。

４．Y結線の相電圧と線間電圧

三相交流を構成する単相の電圧を相電圧、単相間の電圧を線間電圧と呼びます。

図6のE・_aとE・_bとE・_cが相電圧、V・_abとV・_bcとV・_caが線間電圧に当たります。

V・_ab=E・_a－E・_b、V・_bc=E・_b－E・_c、V・_ca=E・_c－E・_aなので、相電圧と線間電圧のベクトル図を描くと以下のようになります。

上記より、線間電圧は相電圧の√3倍であり、線間電圧は相電圧とπ/6だけ位相差があることがわかります。
また、E・_aに対するV・_ab、E・_bに対するV・_bc、E・_cに対するV・_caはπ/6だけ位相が進んでいるとも言えます。
つまり、線間電圧は相電圧よりπ/6だけ位相が進みます。

５．Y結線の相電流と線電流

三相交流を構成する単相に流れる電流を相電流、電線に流れる電流を線電流と呼びます。

図8のI・_aが相電流、I・₁が線電流に当たります。

見てわかる通り、Y結線回路の場合は線電流と相電流は等しくなります。

以上、「スター結線の相電圧と線間電圧の関係」についての説明でした。

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