【基礎から学ぶ電気回路】 最大電力の求め方 ~最小定理の考え方~

電気電子
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電気電子系は難しいイメージを持たれがちですが、基本から順番に抑えていけばそれほど難しいものではありません。
どんな分野にも言えることですが、最初はよくわからないものですから。
本記事では、電気初心者の方でもわかりやすいように、電気回路を理解するための基本中の基本から順を追って解説していきます。
まずは、直流回路についてです。

今回は、「最大電力の求め方」についての説明です。

1.ポイント

最大電力

起電力E、内部抵抗rで構成される電源に抵抗Rを繋いだ時に抵抗Rに発生する電力が最大になる条件は内部抵抗r=抵抗R。
その時の最大電力Pm[W]はE2/4rとなる。

2.最大電力

起電力E、内部抵抗rで構成される電源に抵抗Rを繋いだ時、抵抗Rに発生する電力が最大になる条件は内部抵抗r=抵抗Rです
では、何故内部抵抗r=抵抗Rの時に電力が最大になるかを考えてみましょう。

図1

図1は、起電力E、内部抵抗rで構成される電源に抵抗Rを繋いだ回路です。
抵抗Rでの消費電力Pは以下のように表せます。

この式から、分母が小さければ小さい程電力が大きくなることがわかります。
つまり、分母が最小になる時に電力が最大になるということです

分母を構成している中で変数はRのみなので、Rの値がいくつの時に分母が最小になるかを考えます。
分母の第2項の2rは定数ですので、変数であるRを含む分母の第1項r2/Rと第3項Rの和が最小の時に電力が最大になります

突然ですが、最小定理をご存じでしょうか?
「2つの正の数(以降は2数と呼びます)があり、2数の積が一定である場合、2数が等しい時に2数の和が最小になる」という定理です。
以下に例を示します。

最小定理のイメージはできたかと思います。

何故唐突に最小定理の説明を始めたかというと、r2/RとRの2数にも最小定理が適用できるからです

つまり、r2/R=Rの時に分母が最小になり、電力が最大になります。
この式を整理するとr=Rとなるので、抵抗Rに発生する電力が最大になる条件は内部抵抗rが抵抗Rと等しくなることだと言えます

以上が、内部抵抗r=抵抗Rの時に電力が最大になる理由です。

ちなみに、最大電力Pmはr=Rの関係から以下のように表せます。

以上、「最大電力の求め方」についての説明でした。