このページはニチフの絶縁被覆付閉端接続子(EC形)についてまとめています。
圧着端子の用語・基礎部分・他の種類へのリンクは以下の記事にまとめてあるので、参考にしてください。
圧着端子情報
絶縁被覆付閉端接続子(EC形)はニチフの規格に適合しています。
似たような種類で絶縁被覆付閉端接続子(CE形)というものがありますが、CE形はJIS規格に則った製品となります。
※ イメージ図
種類は“EC 05-1″、”EC 1-1″、”EC 2-2″、”EC 2-3″、”EC 3-1”の5種類で、数字が大きいほどサイズが大きくなる。
大まかな特徴・性能は以下の通りです。
型番 | 電線抱合範囲 mm2 | 電線抱合範囲 AWG | 定格電圧 | 定格電流 |
---|---|---|---|---|
EC 05-1 | 0.13~0.9 | 26~18 | 300V | 3A |
EC 1-1 | 0.5~1.65 | 22~16 | 300V | 7A |
EC 2-2 | 1.0~2.63 | 16~14 | 300V | 12A |
EC 2-3 | 1.0~3.0 | 16~14 | 300V | 12A |
EC 3-1 | 2.63~6.64 | 12~10 | 300V | 17A |
※ 購入品の「EC 05-1」には定格電流5Aって書いてあったのですが、データシート上は3Aでした。
接続子は圧着することで電線同士を接続することが可能な部品です。
その為、普通の圧着端子とは異なり複数本の電線を抱合可能な範囲がデータシートに記載されています。
ですが、電線同士を撚り合わせた際に隙間が生じて導体断面積が通常より広がるので、適合する電線の導体断面積は単純な足し算で求めることはできません。
その為、企業側で「この範囲内での使用ならまず問題ありません」という組み合わせがデータシートに記載されているのだと思われます。
データシートの表の見方に関しては後に示す総合カタログに載っていますが、一応噛み砕いて説明をしておきます。
横軸が電線Aの導体断面積、縦軸が電線Bの導体断面積になっている表があります。
この表には、電線A(0.5sq)を1本使用する場合に電線Bとして0.3sqを選択するなら1~2本まで圧着可能、0.5sqを選択するなら1本まで圧着可能…という具合に組み合わせが記載されています。
縦軸と横軸の交点に数字が書いてあり、これが電線Bの使用可能本数となります。
結論としては、撚り合わせる電線の導体断面積の総和が電線抱合範囲に収まっている且つ電線抱合範囲の上限にマージンを持たせて使用すればデータシートの表まで詳しく参照する必要はないということです。
確実性を持たせたいならデータシートをしっかり確認した方がいいですけどね。
複数本の電線を抱合可能な範囲がデータシートに記載されていると述べましたが、データシートには何故かEC 05-1とEC 1-1の組み合わせが載っていません。
UL/CSA登録を行っている組み合わせがデータシートに載っているらしいので、EC 05-1とEC 1-1は登録されていないのかもしれませんね。
ですが、購入品の包装には書いてあるので、その組み合わせをメモしておきます。
購入時の参考程度にはなるんじゃないですかね?
EC 05-1 | 0.3mm2 | 0.5mm2 |
0.3mm2 22AWG (×1) | 1~2 | 1 |
0.5mm2 20AWG (×1) | 1 | - |
EC 1-1 | 0.5mm2 | 0.75mm2 |
0.3mm2 22AWG (×1) | 1~2 | 1 |
0.5mm2 20AWG (×1) | 1~2 | 1 |
0.75mm2 18AWG (×1) | 1 | 1 |
例)EC 05-1は0.3mm2の電線×1と0.5mm2の電線×1を抱合可能。
データシートリンク
上記リンク先の総合カタログをご覧ください。
絶縁被覆付閉端接続子(EC形)はP76に載っています。