このページはニチフの絶縁被覆付圧着端子(TME形)(先開形)についてまとめています。
圧着端子の用語・基礎部分・他の種類へのリンクは以下の記事にまとめてあるので、参考にしてください。
圧着端子情報
ニチフの絶縁被覆付圧着端子には、TG形・TMD形・TME形が存在します。
これらの違いは電線の挿入部の形状にあります。
詳しい形状の違いはページ下部の総合カタログのP42に載っています。
・TME形が電線挿入ガイドが付いた構造になっている。
・TG形及びTMD形は受注生産品である。
以上の2点から、特にこだわりが無いのならTME形を使用していれば問題ないです。
参考としてR形のニチフの絶縁被覆付圧着端子の端子形状を載せておきます。
TME形(先開形)の型番は以下のようなルールで名付けられているようです。
TME① ②Y-③
①:絶縁体の材質
⇒X:ポリカーボネート
⇒V:ポリ塩化ビニル
⇒N:ナイロン
②:適用電線の断面積の目安(mm2)
③:対応するネジ
例) ポリカーボネート・適用電線範囲0.3~1.65mm2・M3ネジ対応の場合
TMEX 1.25Y-3
※ 圧着端子は適用電線の断面積の範囲の上限が②部分に反映されているパターンが多いのですが、ニチフではそのルールが該当しないようです。②に記された断面積を目安に考えると覚えておきましょう。
※ 先開形の場合は先端形状に微妙な違いがあり、LYタイプやWタイプといったタイプがあることがあります。LYタイプの場合は”Y”が”LY”に変化する、Wタイプの場合は末尾に”W”が付くようになる、という具合に型式が変わります。
種類
圧着端子に関しては開発元企業の一覧データが大体見やすくまとめられている為、ここではより大雑把にした内容を記載しようと思います。
同じ適用電線範囲の圧着端子でも先端形状が異なり対応するネジの太さや端子幅が違う種類のものが存在しますので、その辺りの上限下限の範囲を一覧にしてまとめています。
ちょうど使用したい範囲の圧着端子があったら、データシートのリンクから詳細を確認してください。
また、絶縁体の材質と適合電線の組み合わせにより絶縁体色が決定するので、その表も載せておきます。
簡易型番 | 適用電線範囲 | 対応ネジ太さ | 端子幅 |
---|---|---|---|
TME〇 0.3Y-〇 | 0.2~0.5mm2 AWG24~20 | 2.2~5.3mm | 5.2~8.0mm |
TME〇 1.25Y-〇 | 0.3~1.65mm2 AWG22~16 | 2.7~6.4mm | 4.7~11.0mm |
TME〇 2Y-〇 | 1.04~2.63mm2 AWG16~14 | 3.2~8.4mm | 5.6~14.0mm |
TME〇 3.5Y-〇 | 2.63~4.6mm2 AWG12 | 4.3~6.4mm | 8.0~12.0mm |
TME〇 5.5Y-〇 | 2.63~6.64mm2 AWG12~10 | 4.3~6.4mm | 7.0~12.5mm |
0.3mm2/0.5mm2 | 1.25mm2 | 2.0mm2 | 3.5mm2/5.5mm2 | |
X:ポリカーボネート | 黄 | 赤 | 青 | 黄 |
V:ポリ塩化ビニル | 黄 | 赤 | 青 | 黄 |
N:ナイロン | 黄透明 | 赤透明 | 青透明 | 黄透明 |
データシートリンク
上記リンク先の総合カタログをご覧ください。
TMEXはP54・P55、TMENはP59・P62・P63に載っています。
ただ、総合カタログにTMEVは載っていません。
ミスミなどの別のサイトで表示されるデータシートに載っていることがある為、存在しないわけではないのかもしれません。