今回は、「ロードセル」についての説明です。
1.ロードセルとは?
ロードセルとは、荷重(力)を検出するセンサの役割をする装置のことを指します。
荷重の大きさに対応した電気信号を出力する為、力を電気信号に変換しているとも言えます。
その為、荷重変換機(荷重を電気信号に変換する機械)とも呼ばれます。
荷重のデータを電子化して出力しているので、PC・表示器・測定器などに繋ぐことでディスプレイに表示したり集計結果をまとめたりと視覚化や効率化が図れます。
製品への利用例としては、体重計、電子天秤、引張試験機などが挙げられます。
病院にあるような電子体重計は完全にロードセルです。
まあ、重さを測る電子機器には大体使われていると思っておけばいいですかね。
英語の綴りは[loadcell]で、[load]には[負荷・荷重]、[cell]には[あるものの最小単位を表現する言葉]という意味があります。
つまり、力を細かく測れる機械ということです。
[最小単位]という名前をしているだけあって、測定精度は高いようです。
試験機に使用されるぐらいですから。
ちなみに、「ロードセル」のことを「LDC」と略すところが多いようです。
2.ひずみゲージ型ロードセルの原理
ロードセルは、光・液体・空気圧・磁力・振動など様々なものを利用して動作し、これをセンサとして使用することで荷重を測定しています。
ここでは、力を加えたことによるひずみ量(変形量)から荷重を測定する原理について説明します。
ひずみゲージ型ロードセルというものです。
ひずみゲージ型ロードセルは、値段・小型化・演算処理などの観点から最も市場に普及しているロードセルです
変形量を測定する部品としてひずみゲージと呼ばれる部品があります。
そのひずみゲージを使用しているロードセルだからひずみゲージ型ロードセルです。
そのままの名称ですね。
まあ、わかりやすいから良いですけど。
ゲージとは、正確に何かを測る基準のことです。
ひずみゲージに関しては別途まとめてあるので、あまり詳しく無い方は先に以下の記事に目を通すことを推奨します。

ロードセルに荷重が加わると起歪体という金属部品が変形しますので、この起歪体にひずみゲージを貼り付けます。
すると、起歪体の変形と共にひずみゲージも変形するので、その変形の度合いに応じてひずみゲージの抵抗値が変化します。
この抵抗値の変化を利用して荷重を測定しています。
起歪体にはベンディング型・コラム型・シェア型などがあるようですが、ここでは詳しく触れません。
荷重を加えると起歪体が変形すると述べましたが、目視では変形しているようには見えません。
そのくらい微小な変化を検出しているんですね。
このひずみゲージを4つ使用し、ひずみの発生する箇所に貼り付けます。
この時、ひずみゲージ4つでホイートストンブリッジ回路を組みます。
こうすることでひずみに応じた微小な信号(電圧)が出力されるので、信号を増幅して計器に接続することで荷重を算出しています。
3.ひずみゲージ型ロードセルの特徴
ひずみゲージ型ロードセルには以下のような特徴があります。
- 構造が単純なので製作が容易で小型化がしやすい。
- 精度が高い。
- 可動部や摩擦部が少ないので長寿命。
- 仕様内で使用する分には半永久的に性能が維持される。
- 温度変化の影響を受けにくい。
仕様内での使用なら半永久的に性能が維持されるってすごいですよね。
以上、「ロードセル」についての説明でした。