今回は、「コンデンサからなる直並列回路の端子電圧の考え方」についての説明です。
1.ポイント
2.コンデンサからなる直並列回路の端子電圧の考え方
図1のようなコンデンサからなる直並列回路があります。
この時、各コンデンサの端子電圧V1、V2、V3、V4を電源電圧Vで表すとどうなるか求めてみます。
「コンデンサの合成静電容量」の説明で、コンデンサを直列接続すると各コンデンサに蓄えられる電荷が等しくなると説明しました。
今回はこの関係が重要になってきます。
まず、並列回路になっている部分の合成静電容量C234を求めて、図2のような構成にします。
計算すると、C234=C2+C3C4/(C3+C4)=990[μF]になります。
これで、電源VにC1とC234が直列接続された単純な回路になりました。
ここで今回のポイントが活きてきます。
C1とC234に蓄えられる電荷は等しくなるのです。
具体的には、Q=CVの関係から、C1V1=C234V2、10V1=990V2になります。
つまり、V1:V2=990:10になります。
よって、V1及びV2は以下のようになります。
V1=V×990÷(10+990)=99V/100
V2=V×10÷(10+990)=V/100
要するに、電源-コンデンサ-コンデンサと直列に繋がっていたら、コンデンサの静電容量で逆比例配分してあげれば各端子電圧は求められるということです。
V2=V/100なので、C3とC4の直列回路にかかる電圧もV/100になっています。
なので、図3のように電源(V/100)-コンデンサ(C3=100[μF])-コンデンサ(C4=900[μF])が直列に繋がっていると見なせます。
よって、先程同様に逆比例配分してあげればコンデンサの端子電圧を求めることができます。
V3=(V/100)×900÷(100+900)=9V/1000
V4=(V/100)×100÷(100+900)=V/1000
コンデンサの電荷を蓄える仕組みをしっかりと理解していれば初見でも解くのは難しくはないので、躓いた方はこの機に復習してみるといいかもです。
以上、「コンデンサからなる直並列回路の端子電圧の考え方」についての説明でした。