今回は、「コンデンサの合成静電容量」についての説明です。
1.ポイント
2.直列接続時のコンデンサの合成静電容量
図1のようにコンデンサC1、C2を直列接続した場合の合成静電容量C0について考えます。
結論から言うと、直列接続時のコンデンサの合成静電容量は、各静電容量の逆数の和を求め、その値をさらに逆数にした値に等しいです。
2個のコンデンサを直列接続している場合、合成静電容量は和分の積になります。
並列接続時の合成抵抗の求め方と同じと覚えると良いかと思います。
では、何故そうなるのかを説明していきます。
図1のように直列接続されたC1、C2に直流電源を印加すると、C1の導体板の片側に正電荷+q[C]が蓄えられ、同様にC2の導体板の片側に負電荷-q[C]が蓄えられます。
すると、静電誘導によりC1、C2の反対側の導体板に異種の電荷が蓄えられる為、コンデンサを直列接続すると各コンデンサに蓄えられる電荷が等しくなることがわかります。
C1[F]に掛かる電圧をV1[V]、C2[F]に掛かる電圧をV2[V]とすると、静電容量C[F]のコンデンサに電圧V[V]を印加すると電荷Q[C]が蓄えられる関係から、各電圧は以下のように表せます。
その為、回路全体の電圧V[V]は、以下のようになります。
C1、C2に蓄えられる電荷はいずれもq[C]であることから、いくつコンデンサを直列接続しても合成静電容量C0のコンデンサに蓄えられる電荷はq[C]固定になります。
よって、合成静電容量C0は以下のようになります。
以上より、直列接続時のコンデンサの合成静電容量は、各静電容量の逆数の和を求め、その値をさらに逆数にした値に等しくなることがわかります。
3.並列接続時のコンデンサの合成静電容量
図3のようにコンデンサC1、C2を並列接続した場合の合成静電容量C0について考えます。
結論から言うと、並列接続時のコンデンサの合成静電容量は、各静電容量の和に等しいです。
直列接続時の合成抵抗の求め方と同じと覚えると良いかと思います。
では、何故そうなるのか説明をしていきます。
図3のように並列接続されたC1、C2に直流電源を印加すると、コンデンサの導体板間に掛かる電圧は一定となります。
その為、C1に蓄えられる電荷q1[C]、C2に蓄えられる電荷q2[C]はそれぞれ以下のように表せます。
並列接続したコンデンサごとに電荷を蓄える為、回路全体に蓄えられている電荷q0[C]が合成静電容量C0[F]に蓄えられる電荷となります。
電荷q0[C]は以下のようになります。
静電容量C[F]のコンデンサに電圧V[V]を印加すると電荷Q[C]が蓄えられる関係から、合成静電容量C0[F]は以下のように表せます。
以上より、並列接続時のコンデンサの合成静電容量は、各静電容量の和に等しくなることがわかります。
以上、「コンデンサの合成静電容量」についての説明でした。