【基礎から学ぶコイル】 磁極と磁石 ~何故鉄は磁石にくっつくのか?~

電気電子
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私たちの身の周りには、回転運動をする装置が存在しますよね?
パッと思い付くのは、換気扇や扇風機辺りでしょうか。
これらの装置にはモータという機械が組み込まれていて、大体のモータは“電磁力”という力を発生させることによって駆動しています。
本記事では、この電磁力を引き起こしている部品である“コイル”というものについて、基本からわかりやすくまとめていこうと思います。

今回は、「磁極と磁石」についての説明です。

1.磁極とは?磁石とは?

鉄を引き付ける性質を持つものを磁石と呼びます。
磁石の鉄を引き付ける力の最も強い点のことを磁極と言います。

磁極にはN極とS極があり、N極を正極S極を負極とも呼びます
N極とS極は必ず一対で存在します。
棒磁石って見たこと無いですかね?
以下の図のようなヤツです。
このイメージです。

図1

N極とN極、S極とS極の同極性間には反発力(斥力せきりょく)が働き、N極とS極の異極性間には吸引力が働きます。
磁極間に作用する反発力(斥力)及び吸引力のことを磁力もしくは磁気力と呼び、この性質のことを磁気と呼びます。

2.地球の磁極

実は、地球も磁気を帯びています。
その為、地球自体を1つの棒磁石として、北極がS極、南極がN極に相当すると考えることができます

方位磁針が北極を指し示すからN極(北=North)、南極を指し示すからS極(南=South)です
北だから北極がN極だと間違えないように注意しましょう。

3.何故鉄は磁石にくっつくのか?

磁石が鉄を引き付けるのは学校などで実際に見たことがあるからイメージできるとして、そもそも何故磁石に鉄が引き寄せられるのでしょうか?

磁石と磁石がくっつくのは、N極とS極で引き寄せ合うからです。
それぞれ磁極があるから、磁力が発生するのです。
逆に言えば、磁極が無いと磁力は発生しないんですよね。
つまり、磁石を近づけると、鉄は磁極を持つようになるんです。
詳しく説明しようとすると専門用語が多くなるので、噛み砕いて説明しますね。

鉄は、本来磁極を有しています。
ただ、鉄という塊の中で区分けがされていて、その区ごとに磁極を有しており、その磁極の向きはバラバラになっています。
その為、鉄全体で見ると磁力が打ち消されてしまい、磁極を持っていないのと同等になっているのです
逆に言えば、この区ごとの磁極の向きが揃えば磁力を持つんですよ。

ここまで聞いたら磁石に鉄が引き寄せられる理由が想像できたのではないでしょうか?
鉄に磁石を近づけると、磁石の磁極に引っ張られて鉄の磁極の向きが同じ方向になるんです。
要は、磁石を近づけた際の鉄は磁石になっているんです。
これが磁石に鉄がくっつく理由です。

磁石に触れた鉄には別の鉄がくっつきますが、アレは鉄も磁石になっているからなんですね。
もちろん、鉄が磁石になっているのは磁石が触れている間なので、磁石を鉄から遠ざけると鉄内の磁極の向きがバラバラに戻って磁石としての性質は失います。

図2

ちなみに、例として鉄を挙げましたが、鉄以外にも磁石とくっつく金属は存在します。

以上、「磁極と磁石」についての説明でした。