【基礎から学ぶコンデンサ】 電界と電位の関係 ~点電荷と平行板間の電位について~

電気電子
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“コンデンサ”という部品は、電気製品なら必須レベルで多用されています。
電気を蓄えたり放出したり、ノイズ成分を吸収したり、何かと便利だからです。
本記事では、そんなコンデンサという部品についての知識をわかりやすくまとめてみました。

今回は、「電界と電位の関係」についての説明です。

1.ポイント

電位

電界中で+1[C]の単位正電荷が持つ位置エネルギーのこと。

電界と電位の関係

平行導体板間の電界の強さE[V/m]は、導体板間の電位差V[V]を導体板距離d[m]で割った値に等しい。E=V/d

2.電位とは?

電界中で+1[C]の単位正電荷に働く力の大きさ電界の強さでした。
これに対し、電界中で+1[C]の単位正電荷が持つ位置エネルギー電位です。
電位は量記号V、単位は[V]もしくは[J/Cジュール毎クーロン]です。

上述の通り、電界中に単位正電荷が存在すると静電力が働くので、力の方向に単位正電荷が移動しようとします。
電界中に存在する単位正電荷がその場に静止するために、位置エネルギーである電位を持っているという認識です。

q1[C]の電荷が媒質中に存在している場合について考えます。

図1

この電荷からr[m]だけ離れた点の電位V[V]を式で表すと以下のようになります。

※ ここで言う電位Vとは、厳密には無限遠(静電力の働いていない場所)から単位正電荷を運ぶエネルギーを指しています。

電位は、ベクトル量(大きさ+方向)ではなくスカラー量(大きさのみ)です

例を用いて説明します。

図2

図2のように真空中(誘電率ε0)に2つの電荷q[C]があります。
この2つの電荷から距離r[m]の位置である点aの電位を求めます。

片方の電荷による点aの電位は以下のようになります。

電位はスカラー量なので、点aの総電位Va[V]は単純に各電荷による電位の和になります。

次に、2点間の電位差(電圧)について考えてみます。
電荷からr1[m]離れた点の電位V1[V]とr2[m]離れた点の電位V2[V]があります。

図3

電位は距離に反比例している為、電荷に近い程電位が大きくなります。
つまり、V1>V2になっています。
その為、2点間の電位差V12[V]は以下のようになります。

ここで言う電位差V12[V]は、r2[m]離れた点からr1[m]離れた点まで移動するためのエネルギーになります。

3.等電位面

電位の等しい箇所を繋いだ時にできる面を等電位面と呼びます

等電位面は以下のような性質を持っています。

  1. 等電位面と電束は直交する。
  2. 電位の異なる等電位面同士は交わることはない。
  3. 等電位面同士の間隔が狭い程電界が強い。
  4. 等電位面上ではエネルギーが一定なので電荷を動かす為の仕事は0となる。
  5. 導体の表面は等電位面となる。
図4

4.平行導体板間の電界と電位の関係

図5のように導体板が平行に2枚並んでいて、導体板に電源が繋いであります。

図5

平行導体板間の電界の強さをE[V/m]、導体板間の電位差をV[V]、導体板距離をd[m]とした時、+1[C]の単位正電荷を電界から受ける力に逆らって移動させる(bからaの方向)のに要する仕事はV[V]です。

単位正電荷に働く力の大きさは電界の強さに等しい為、aからbの向きにはE[N]の静電力が発生しています。
力×距離=仕事なので、単位正電荷が静電力E[N]で距離d[m]だけ移動した時の仕事はE×dになります。
つまり、単位正電荷をaからbまで移動させるのに必要な仕事がEdなので、逆にbからaまで移動させるのに必要な仕事もEdと言える為、Ed=Vが成り立ちます。
よって、電界の強さは単位である[V/m]からもわかる通り、以下のように表せます。

以上、「電界と電位の関係」についての説明でした。