【基礎から学ぶ論理回路】 CMOS論理回路の組み合わせ

電気電子
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電子回路を構成する部品の中には、信号を反転させたり、複数の入力信号の状態の組み合わせによって出力信号を変えるようなものが存在します。
きちんと筋道を立てて考える思考のことを“論理的”と言いますので、このような回路のことは論理回路と呼びます。
本記事では、そんな論理回路の種類や実際の構成について、わかりやすく解説していきます。

今回は、CMOS論理回路についての説明です。

1.CMOS論理回路の組み合わせ

NOT回路・NAND回路・NOR回路をCMOS論理回路で表す方法は以下の記事で述べました。

【基礎から学ぶ論理回路】 CMOS論理回路とは? ~論理ゲートを構成する実際の回路~
電子回路を構成する部品の中には、信号を反転させたり、複数の入力信号の状態の組み合わせによって出力信号を変えるようなものが存在します。きちんと筋道を立てて考える思考のことを“論理的”と言いますので、このような回路のことは論理回路と呼びます。本記事では、そんな論理回路の種類や実際の構成について、わかりやすく解説していきます。今回はCMOS論理回路についてです。

今回は、これらのCMOS回路を組み合わせた回路を見ていこうと思います。

2.例題①

図1の論理式はどうなるか考えていきましょう。

図1

まず注目すべきは一番右の列です。
p型MOSFETが1つに対してn型MOSFETが複数ありますよね?
なので、最終的にはNAND回路になっていることがわかります
これに関してはCMOS論理回路のNAND回路とNOR回路をよく見てればわかります。

問題は出力Xに入ってくる論理変数です。
このままでは何が何やら意味がわからないかと思います。
なので、分解して考えてみましょう。

まずは図2のように抜き出してみました。
ここだけ見るとただのNOT回路なので、出力XはAになります。

図2

図3のように抜き出すと、ここもただのNOT回路だとわかります。
なので、出力XはBになります。

図3

残りの回路は図4になります。
CをNOT回路で反転させ、その反転させた出力を他のNOT回路の入力としています。
つまり、出力XはCになります。

図4

この3回路の出力が一箇所にまとめられているのが図1です。
なので、X=AB・C…とすると間違いです。


あくまで最終的にNAND回路としてまとめられるので勘違いしないようにしましょう。

この辺りはうまく言葉で説明ができる気がしません。
個人的には、CMOS論理回路のNAND回路の形状になっていたら、NOT回路の各入力に対してNAND出力とすると覚えています。

もしくは、図1を整理して図5のようにして考えていくのが良いと思います。
この形状になれば、AとBとCのNAND回路になっているのは一目瞭然なので混乱はせずに済みます。

図5

3.例題②

図6の論理式はどうなるか考えていきましょう。

図6

今度は一番右の列はn型MOSFETが1つに対してp型MOSFETが複数になっています。
なので、最終的にはNOR回路になっていることがわかります

ということで、また分解して考えてみましょう。

まずは図7、図8のように抜き出してみました。
回路が遠回りしているだけで、これまたNOT回路なんですよね。

図7
図8

残りの回路は図9になります。
これまた先程と同じで、CをNOT回路で反転させ、その反転させた出力を他のNOT回路の入力としています。

図9

ややこしいですけど、こればかりは慣れてもらうしかないと思います。

以上、CMOS論理回路の組み合わせについての説明でした。