本ブログにはCADの使い方に関する記事がいくつか存在します。
なのですが、そもそもCADとは何なのかをまとめていなかったので、ここで説明をしておこうと思います。
また、よく混在されている用語としてCAMとCAEがありますので、併せて説明していこうと思います。
1.CADとは?
CADとは、英語で[Computer Aided Design]と書きます。
読み方は「キャド」です。
コンピュータを支援設計[aided design]するツールのことで、主に設計・製図・デザインを支援するツールがCADに当たります。
機械・電気・建築など、分野を問わずに何かしらの設計をコンピュータ上で行うことが可能です。
例えば、部品を製作するための金型設計、車の外装デザイン設計、電子機器のプリント基板の回路設計などを行う際にCADが利用されています。
いわゆる図面を作るためのツールだと考えてくれれば良いかと思います。
昔は手描きであらゆる図面を用意していましたが、今はCADで描いていることがほとんどです。
何故かと言うと、単純に作業時間の短縮・保管方法の確立などに結びつくからです。
「一定の太さの線を描ける」・「修正が容易」・「データの保存及び共有が可能」という具合に、いくらでもメリットがありますからね。
手描きで「修正したけどやっぱり元に戻したい」となった場合、すぐに修正できませんから。
CADには2Dと3Dに対応したものがあるので、用途に適したものを選んで使用しましょう。
2.CAMとは?
CAMとは、英語で[Computer Aided Manufacturing]と書きます。
コンピュータを支援製造[aided manufacturing]するツールのことです。
要は、モノの製造時に工作機器を使ってどのように加工するのかというプログラムを作成するためのツールのことです。
CADで設計したデータを読み込ませて、どのように工作機器を動かして加工していくのかを自動でプログラムするツールがCAMです。
CADからCAMにデータを移動する必要があるため、CADとCAMは一体化している方が何かと都合が良いです。
CADとCAMのメーカが違うとしても互換性はあるのでしょうけど、整合性の高さは同メーカで揃えていた方が絶対に良いですからね。
そんなわけで、CADとCAMが一体化したツールが存在します。
そのせいか、CADとCAMの違いをよくわかっていない人がたまに居ます。
CADで設計してから、CAMで製造という流れですからね?
間違えないように注意しましょう。
3.CAEとは?
CAEとは、英語で[Computer Aided Engineering]と書きます。
コンピュータを支援工学[aided engineering]…直訳だと意味がよくわかりませんね。
CAEとは、コンピュータを使って解析・シミュレーションするためのツールのことです。
これから製品をCADで設計していこうという前に性能のテストをするために使用します。
耐圧性確認・耐熱性確認・音響解析・電磁場解析など、様々な解析を行うことが可能です。
事前にシミュレーションすることで不具合が見つかれば、設計を行う前に修正が可能です。
そうすれば設計試作の時間・コスト共に削減ができるので、やらないという手はありません。
なので、CAEで解析してからCADで設計という業務の流れになっていることが多いです。
まあ、過去の実績があるなど、問題無いことが判明していたらCAEはわざわざ通さないこともありますけどね。
4.まとめ
CADとそれに混在されていることがあるCAMとCAEについて説明しましたので、最後にまとめておきます。
簡単に言うと、CADが製図、CAMが製造、CAEが解析をするツールになります。
順番としては、CAE⇒CAD⇒CAMになります。
CAEで事前にシミュレーションし、問題無さそうならCADで設計し、CAMで設計データから工作機器をどう動かすかというプログラムを作成するのです。
以上、「CADとCAMとCAE」についてでした。