今回は、「FILLETコマンドの使い方」について記述していきます。
1.コマンドとは?
コマンドは、特定の文字列を直接入力することで使用可能な機能のことです。
画面上部のエリア(ツールバー?メニューバー??)に存在するものもありますが、慣れると探すよりも入力した方が早くなります。
コマンドの種類は多彩な上に検索しても機械的な説明ばかりでわかりづらいものが多い為、実際に使ってみた具合を書き残しておこうという魂胆の記事となっています。
肝心のコマンドの使い方ですが、画面下に「ここにコマンドを入力」というエリアがあるので、ここに入力すれば問題ないです。
わざわざそこをクリックせずとも適当にキーボード入力しても反応してくれますけどね。
コマンドを使用する場合は、まず初めにEscapeキー(キーボード左上のescキー)を押すことを推奨します。
これを推奨する理由は、誤って図面内の何かを選択してしまっていた場合にコマンドの暴発を防ぐためです。
コマンドによっては特定のオブジェクト(線・円・テキストボックスなどのこと)を選択してからコマンドを入力という手順でも機能しますので、とりあえずescキーを押す癖を付けておくとミスが減りますよ?
また、特定のコマンドは解除しなければ連続して発動するものがあるので、終わり際にもescキーを押しましょう。
ちなみに、説明で使用している図はAutoCADではなくExcelで描いています。
理由は単純で、記事をまとめているのは自宅、つまり自宅PCにAutoCADなんて入ってないからです。
家のPCに製品版AutoCAD突っ込んでも使い道ないしさ…仕方ないね。
2.FILLETの機能
「FILLET」は、オブジェクトの角を丸める機能です。
角ばっている部分をやすりで削って丸くするイメージです。
この丸くすること自体をフィレットと呼ぶようなので、以降はフィレットするという表現を使っていきます。
製品によっては角ばっていると人が接触した際に怪我の元になったりするので、そのための処置ですね。
似たような機能としてCHAMFERコマンドがありますが、そちらは面取りをします。
交差する線オブジェクトに適用したり、長方形オブジェクトの角に適用したりできます。
もっと言うと、2本の線さえあればフィレットは可能です。
例えば、図1左のように十字形に交差した2本の線や交差していない2本の線があった場合、FILLETコマンドを使ってフィレットを行うと図1右のように補正されます。

ちなみに、「FILLET」はヒレ肉の”ヒレ”と同じ綴りだったりします。
3.FILLETの基本的な使い方
では、使い方の悦明をしていきます。
①「FILLET」と入力してEnterキーを押す。
コマンド全般に言えますが、大文字小文字の区別は無いので、「fillet」で構いません。
②フィレットする1本目の線を選択する。
フィレットを行うには対象となる線を2本選定する必要があります。
なので、まずは1本目の線をクリックして指定しましょう。
③フィレットする2本目の線を選択する。
2本目の線をクリックします。
1本目に指定した線と2本目に指定した線に対してフィレットが行われます。
クリックする箇所によりフィレットのされ方が変化することに注意が必要です。
2本目の線をクリックした時点でFILLETコマンドは終了しますので、EnterキーやEscキーを押す必要はありません。
連続してフィレットを行ったり、フィレットの半径を調整したりするにはオプションの設定が必要です。
オプションに関しては次項で詳しく説明していきます。
4.FILLETのコマンドオプションについて
コマンドを入力すると、オプション項目がしれっと表示されます。
このオプションで具体的に何をできるのかを分かる範囲で簡単にまとめてみました。
※ 大体調べて説明を読んでもわからないので、自分で使ってみての解釈を書いています。
FILLETコマンドの場合、1本目の線をクリックするタイミング(FILLETコマンドを発動したタイミング)でオプションが表示されます。
オプションの種類は、元に戻す(U)・ポリライン(P)・半径(R)・トリム(T)・複数(M)です。
それぞれ()内のキーを入力してEnterキーを押せばオプション変更が可能です。
オプションを直接クリックしても反応します。
ちなみに、2本目の線をクリックするタイミングでも半径(R)のオプションは表示されます。
コマンドを実行した直前の状態に戻します。
普通にFILLETコマンドを使用すると2本の線を指定した時点でコマンドが終了する為、このオプションを使う余地は無いです。
ですが、後述の複数(M)オプションで連続してフィレットを行っている場合は有用なオプションとなります。
間違えてフィレットをしてしまった時はこのコマンドを使用することで1つ前の状態に戻ることができます。
連続して実行するとその分戻ることが可能です。
このコマンド限定のctrl+zみたいなものです。
ポリラインに対してフィレットを行います。
ポリラインとは、途中で折れ曲がったりしても一つのオブジェクトとして認識される線、Excelのフリーフォームみたいなモノです。
例えば、図2のようなポリラインがあった場合、2本の線が交差している点が全てフィレットされます。

ただし、フィレット距離よりも短い線に対してはフィレットは行われません。
フィレットの半径を指定します。
フィレット時にトリムするかどうかを指定します。
トリム(T)と非トリム(N)の切替が可能で、デフォルトではトリム(T)になっています。
トリム(T)だと、交差している線に対してフィレットを行うと余分な部分が消去されます。
また、交差していない2本の線に対してフィレットが行われるのもトリム(T)になっている場合です。
非トリム(N)だと、交差している線に対してフィレットを行っても元のオブジェクトはそのまま残ります。

トリムという用語を知らない人向けになるべくトリムという用語を使わずに説明してみました。
トリムについて詳しく知りたい場合は以下の記事をご覧ください。

連続してフィレットが可能になります。
通常、フィレットを行うとそこでFILLETコマンドは終了しますが、このオプションを選択するとフィレットをしてもコマンドは終了しなくなります。
コマンドを終了したい場合はEnterキーかEscキーを押しましょう。
3Dでフィレットをすることもできるようですが、AutoCAD LTにはその機能は付いていないようです。
以上、「FILLETコマンドの使い方」についてでした。