【電気電子の雑学】 バッテリーが上がるという現象の説明と理由

電気電子
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本ブログには電気電子系の知識を備忘録的にまとめてあります。
自分なりにカテゴリ分けをして何かしら共通点のあるWebページは連番になるようにまとめているのですが、どこにも分類されないものも当然存在します。
本記事は、未分類ですが内容としては知っておきたいと思ったことについてわかりやすくまとめたものとなっています。

今回は、「バッテリーが上がるという現象の説明と理由」についての説明です。

1.初めに

車のライトを付けっぱなしで放置したせいで「バッテリーが上がった」という内容を耳にしたことはありませんか?
現象としては「車が動かなくなること・エンジンがかからなくなること」だと知っている人は多いと思います。
ですが、誰かが言っていたからなんとなく知っているのであって、具体的に何がどうなって動かなくなっているのか理解している人は少ないのではないでしょうか?

そもそもバッテリーが“上がる”って何なのでしょうね?

今回は、バッテリーが上がるという現象の説明、またその原因についてまとめていきます。

2.車が動く仕組みについて

まずは車が動く仕組みを軽く知っておく必要があるので、簡単に説明していきます。

そもそも車はガソリン(燃料)を燃やして動いているわけですが、ガソリンだけで動いているわけではありません

例えば、エンジン始動時のモータを動かすには電気が必要ですし、ライトを点灯させるにも電気が必要です。
他にも様々な箇所に電気が必要で、これらの電気を供給しているのがバッテリーです。
バッテリーは端的に言えば充電可能な電池のことで、走行中は車自らが発電を行ってバッテリーに電気を蓄えておくことが可能です

このバッテリーはエンジン停止中に各部に電気を供給する役割を担っています。
エンジン停止中にエアコンだけ付けれたりライトを付けれるのはこのバッテリーのおかげということです。

3.バッテリーが上がる理由

車の動く仕組みを簡単に理解してもらえたかと思います。
この説明でバッテリーが上がる理由を想像できた人もいるのではないでしょうか?

バッテリーに蓄えられている電気は有限で、車の走行中に充電を行った分しか保有していません。
つまり、電気を使い過ぎるとバッテリーの充電が切れてしまうのです
まあ、当たり前のことですよね。

この充電切れの状態を“バッテリーが上がる”と呼びます。
なぜ“上がる”なのかは調べてもわかりませんでした。
ややこしいからバッテリーが切れるにしてくれませんかね?

だから、エンジン停止中に音楽を流したり、エアコン付けたり、ライトを付けっぱなしにするとバッテリーの電気が無駄に消費され、バッテリーが上がってしまうわけです。

ここで車の動く仕組みを思い出してほしいのですが、バッテリーの電気の用途にエンジン始動時のモータを動かすというものがありましたよね?
では、バッテリーの充電が切れたらモータは動きますか?
動くわけないですよね??
こういった理由でバッテリーが上がる=車が動かなくなるに直結するわけです

4.バッテリーが上がらないようにするには

では、バッテリーが上がらないようにするにはどうすれば良いかというと、定期的に車に乗って、エンジン停止中には極力電気を消費しないようにするほかありません

通常、車の走行中にバッテリーに電気を蓄え、車の停止中に電気を使用するというサイクルが出来上がっているはずなので、電気を無駄遣いしなければそう簡単にはバッテリーは上がりません。

じゃあ、エアコンなどの快適さを捨てて電気を無駄遣いしないようにエンジン停止中は電気を流せないようにしてしまえば良いのではないかと思うかもしれませんが、ECU(エンジンコントロールユニット)などの車載の電子制御装置には常に電気を供給しておく必要があるのでそうもいきません
これらの装置に使用される電気は微小ですが、必要なものは必要です。
なので、電気を無駄遣いしなくてもバッテリーの充電された電気は徐々に減少していきます

スマートフォンって使わないで放置してても充電切れるじゃないですか。
アレと同じで、バッテリーのような電気機器は操作していなくても自然に放電されていくものなので、どちらにしろずっと車に乗らずに放置することでバッテリーは上がってしまいます。

以上より、バッテリーが上がらないようにするには、定期的に車に乗って、エンジン停止中には極力電気を消費しないようにするしか対処方法はないのです

ちなみに、エンジン停止中にバッテリーに流れる電流のことを暗電流と呼びます。
ここでは車の観点でいう暗電流の話をしていますが、ダイオードの逆バイアス電流のことも暗電流と呼びます
こちらは勝手に流れてしまう電流のことなので、車でいうところの暗電流とはまた違うものと考えた方が良さそうです。

5.バッテリーの経年劣化

バッテリーが上がらないようにするには、定期的に車に乗って、エンジン停止中には極力電気を消費しないようにするしかないと述べました。

ですが、いくら気を付けても充放電を繰り返すとどうしてもダメージが蓄積されてしまうので、バッテリーは経年劣化してしまいます
長く使ったスマートフォンの充電が切れるのが早くなるのと同じ現象です。
使い続けると劣化するのは自然の摂理なのです。

バッテリーの寿命はせいぜい2~3年と言われているので、日頃から気を付けるのとは別にしっかりメンテナンスをしてもらいましょうね。

以上、「バッテリーが上がるという現象の説明と理由」についての説明でした。