今回は、「交流回路のインピーダンスと電力の関係」についての説明です。
1.ポイント
2.交流回路のインピーダンスと電力の関係
「R-L-C直列回路のポイント」で抵抗R、誘導性リアクタンスXL、容量性リアクタンスXCで直角三角形を作ると斜辺がインピーダンスになり、「交流回路の電力」で皮相電力S、有効電力P、無効電力Qは電力の直角三角形として表すことが可能と述べました。
図1のようなR-L-C直列回路があります(XL>XC)。
直列回路は電流Iが一定なので、この時の各消費電力は以下のように表せます。
抵抗Rの消費電力…P=I2R
誘導性リアクタンスXLの消費電力PL…PL=I2XL
容量性リアクタンスXCの消費電力PC…PC=I2XC
つまり、インピーダンスの直角三角形の各辺にI2をかけると電力の直角三角形が作れます。
また、抵抗Rで消費される電力は有効電力P、誘導性リアクタンスXL及び容量性リアクタンスXCで消費される電力は無効電力Qに当たりますので、以下の関係が成り立っています。
有効電力P[W]…P=I2R
無効電力Q[var]…Q=I2(XL-XC)
皮相電力S[VA]…S=I2Z
ただし、電流の位相進み・遅れの関係上、位相差θを-θにする必要があることに注意して下さい。
以上、「交流回路のインピーダンスと電力の関係」についての説明でした。