今回は「零相変流器」についてです。
1.初めに
わからない用語を調べた際、用語の説明をするために他の用語が出現してくるので結局何を意味するのかわからなくなったという経験はありませんか?
私は結構あります。
特に、業界特有の用語なんてその業界の方は知ってて当たり前のように使用してくるので、全く解読できなかったりします。
残念ながら、本ブログに関しても同じことが言えます。
人それぞれどこまで理解しているかは当然異なってきますので、万人が理解できる記事を書くというのは不可能なのです。
超初心者に合わせて毎回基礎中の基礎から説明してたら本題に入れませんからね。
なので、本サイトでは基本的な用語から専門的な用語まで個別にまとめ、簡単に検索できるような構成にしてあります。
もしわからない単語が出てきたら、画面右もしくは最下部に表示されている「サイト内を検索」から用語を検索するか、トップの「用語集」ボタンにまとめた取り扱い用語一覧から目的の用語を検索してみてください。
2.零相変流器とは?
零相変流器とは、地絡・漏電を検知するための機器のことです。
英語で[Zero phase Current Transformer]となるので、ZCTと省略されていることもあります。
受配電機器の一種ですので、一般人が見かけることはほとんど無いかと思われます。
受配電機器に関しては別途まとめてあるので、気になったら以下の記事を参照してみてください。
零相変流器は、回路に流れる零相電流というものを検出しています。
零相電流とは、行きと帰りの2本の経路に流れる電流のバランスが崩れた時に発生する電流のことです。
零相変流器は中央に穴の空いた円柱状の構造をしています。
この零相変流器の穴に2本の電線を通し、それぞれに行きの電流と帰りの電流が流れるようにします。
フェライトコアをくっつけるような感覚で、電線を穴に通すんですね。
正常時は、基本的に行きの電流と帰りの電流は同じ大きさで逆方向に流れています。
通常、電線に電流が流れると電線の周りに磁界が発生し、付近の導体に誘導電流が流れるようになります。
なのですが、同じ大きさで向きが逆になっている2本の電線が並んで配置されているので、お互いに干渉し合うことで打ち消し合い、誘導電流は“0”になります。
これが行きと帰りの2本の経路に流れる電流のバランスが取れている状態です。
では、この回路にて地絡・漏電してしまった場合、どうなるでしょうか?
端的に言うと、行きの電流と帰りの電流のバランスが崩れます。
そうすると誘導電流が流れるようになるので、誘導電流が流れたことをトリガーとして地絡・漏電が発生したことを検知するような仕組みになっています。
3.まとめ
零相変流器とは、地絡・漏電を検知するための機器のことです。
以上、「零相変流器」についてでした。