【基礎から学ぶ情報技術】 そもそもコンピュータとは何なのか?種類やハードウェアとソフトウェアの違いについて解説!

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私の専攻は電気系なのですが、電気電子系の仕事とIT系の知識は切っても切れない存在となります。
回路設計をしても、それを動かすCPUはソフトウェアが無いと動かないですからね。
本記事は、IT系の分野で疑問を持ったり知っておいた方が良いと個人的に思った内容についてまとめたものとなります。

今回は、「そもそもコンピュータとは何なのか」についての説明です。

1.初めに

インターネットは、世界中に存在するコンピュータの間に形成されたネットワークを繋ぎ合わせた大規模な通信網のことです。

何気なく「コンピュータ」という用語が登場していますが、コンピュータと言われて想像する機械はどのようなものでしょうか?
真っ先に想像するのは「パソコン」かと思います。

では、何を以ってパソコンのことをコンピュータと呼んでいるのでしょうか?
こちらの問いに答えられる方は少ないかと思います。

そして、コンピュータと言っても、アナログコンピュータ・デジタルコンピュータ・パーソナルコンピュータ・スーパーコンピュータと、様々な種類が存在します。
ということで、今回はコンピュータとは何なのかを1から説明していこうと思います。

2.コンピュータとは?

コンピュータとは、英語で[computer]と書きます。
直訳すると[電子演算機]になります。

実際の意味としては、「CPUやトランジスタなどの様々な電子部品を使用した電子回路で演算をしている装置」のことをコンピュータと呼びます
電子部品とか電子回路と言われても電気分野の人間以外にはサッパリだと思いますので、ここでは「○○と命令されたから考えて××をする」という論理的な思考(演算)を実現した装置がコンピュータだと思ってください

論理的な思考とは、連絡をしたいと命令すればメールを送信したり電話ができたり、調べものをしたいと命令すればインターネットに繋ぐことができたりと、指示に対して考えて受け答えができるような行動を取れることを指しています。
そのような機能を持った機械がコンピュータということです。

つまり、パソコン・スマートフォン・タブレットなどの通信機器はコンピュータなのです。
通常の機械は最初から決められた行動しか取ることはできませんが、コンピュータなら自分で考えて回答を模索することができるのです。

論理的演算については別途まとめてあるので、以下の記事も参考にしてみてください。

コンピュータとそれ以外の機械の違いについて

コンピュータとそれ以外の機械の違いについて、もう少し深堀していきますね。

例えば、ボタンで弱・中・強と風量調節できる扇風機があったとします。
この扇風機はコンピュータではありません。
『風量を弱にするように命令したら弱になってるけど?』と思うかもしれませんが、この機能が実現されているのは扇風機が“考えている”からではありません

扇風機は、電源を繋いでモータを回し、そのモータの先端に付いたプロペラを回転させることで風を発生させています。
要は、電源を供給すれば考える頭が無くとも動作するんです。

また、モータの回転数が低ければプロペラの回転が弱まり弱風に、モータの回転数が高ければプロペラの回転が強まり強風になります。
そして、モータの回転数はモータにかかる電圧・電流を変えてあげれば制御可能です。

その為、扇風機の風量変更はボタンを押すことでスイッチを切り替えて、モータにかかる電圧・電流を変更しているだけなのです
つまり、そこに扇風機としての思考が存在しないんですね。
だからコンピュータでは無いのです。

「○○と命令されたから“考えて”××をする」のはコンピュータですが、「○○と命令されたから××をする」のはただの機械なのです。
逆に言うと、センサを搭載して扇風機の前に人が居なくなると勝手に動作停止するような機能が付いたとすると、この扇風機はコンピュータということになります。
考えて自分なりの行動を取れる機械は、軒並みコンピュータなのです。

3.コンピュータの五大要素

コンピュータを構成する要素は、以下の5つとなっています。

入力装置:指示やデータを受け取る・入力する部分
記憶装置:データを記憶する部分
出力装置:処理の結果を表示する部分
演算装置:データの加工や演算処理をする部分
制御装置:各装置を制御する部分。

この5つの要素のことを、コンピュータの五大要素と呼びます。
五大要素間でデータを受け渡したり制御をすることでコンピュータというモノが成り立っているのです。

例えば、ノートパソコンにマウスを繋いであるとします。
この構成だと、各要素は以下のように分類できます。

入力装置:キーボード、マウス
記憶装置:メインメモリ(主記憶装置)、ハードディスク(補助記憶装置)
出力装置:ディスプレイ(画面)
演算装置:CPU
制御装置:CPU

「マウスを動かしたらディスプレイのカーソルが移動する」といった単純な動作も、マウスから位置情報を取得して、現在地を演算して、ディスプレイの位置に反映させているわけです。
見えないところでガンガン演算しているんですよ。

4.ソフトウェアとハードウェアという分類

コンピュータを構成する部品は、大きく分けるとソフトウェアハードウェアに二分されます。
ソフトウェアを使ってハードウェアを動かすことで、私たちの身の回りにあるコンピュータは成り立っているのです。

ソフトウェアとは?

ソフトウェアとは、コンピュータを動作させるためのプログラム(命令)です。
また、プログラムを動作させるためのデータも含めてソフトウェアと呼びます。
ソフトと略して呼ぶことが多いです。

ソフトウェアは、コンピュータを構成する部品の中で実体を持たないもの、つまり目で見えず触ることもできないものを指します
プログラムやデータは触れようがないので、分類はソフトウェアになるわけです。

先程説明した五大要素で言えば、演算装置・制御装置であるCPUという部品をどう動かすかという命令文(プログラム)がソフトウェアに当たります。

ちなみに、ソフトウェアはその役割によってOSとアプリケーションに分類されますが、説明し出すと結構長くなるのでここでの説明は割愛します。

ハードウェアとは?

ハードウェアとは、ソフトウェアで動かす機器や装置のことです。
パソコンを例に挙げると、マウス・キーボード・パソコン本体などの機器がすべてハードウェアと言えます。
ハードと略して呼ぶことが多いです。

ハードウェアは、コンピュータを構成する部品の中で実体を持つもの、つまり目で見て触ることができるものを指します
パソコンの画面やキーボードは触れるので分類はハードウェアになるわけです。
このように、ソフトウェアとハードウェアは対義語になっています

5.ソフトウェアとプログラムの違い

ソフトウェアの説明でしれっと登場したプログラムについても説明していきます。

プログラムとは、コンピュータに対する命令・指示・処理・手順など記述したものを指します。
つまり、コンピュータへの命令文・手順書なのです。

コンピュータは命令通りにしか動けません。
あらかじめ『○○の場合は××する』、『□□の場合は△△する』という指示を出しているからまともに動作しているのです。
逆に言うと、事細かに命令してあげないとまともに動いてくれないんですね。

車を運転したことがない人は車の運転ができませんし、料理を作ったが無い人はいきなり料理することはできませんよね?
だからこそ、教習所で車の操作方法を学んだり、レシピを貰ったりするわけです。
これをコンピュータに適用しているのがプログラムです。

ソフトウェアとプログラムの意味は混同されやすいのですが、ソフトウェアはコンピュータを動作させるためのプログラムのことを指しています
端的に言うと、プログラムの集まりがソフトウェアの一部になります

例えば、“歩く”という動作をする場合、「右足を動かす」、「左足を動かす」、「足を交互に動かす」、「モノにぶつからないように前方確認をする」など様々な命令が必要です。
これらの命令一つ一つがプログラムです。
これらのプログラムをいくつも組み合わせた結果、やっとのことで“歩く”という行動をできるようになります。
※ややこしいのですが、こうして形成された“歩く”という行動も一つのプログラムです。

ただ、この状態では本当にただ歩けるだけです。
なので、プログラム以外のものも追加します

例えば、このプログラムに地図情報と現在地情報も付属させることで目的地まで歩けるようになります。
他にも用途によっては画像データを用意したりと、プログラム以外の何かしらも付け加えたとします。
これらを全部含めて出来上がったものがソフトウェアなのです

なので、ソフトウェアの根幹はプログラムなのですが、ソフトウェアはプログラム以外にも色々なデータを含んでいるのです。

ソフトウェアの一部がプログラム、ソフトウェアはプログラムの集まり、ソフトウェアの根幹がプログラム…覚えやすい方法で覚えてください。

6.コンピュータの種類

最初に述べたように、コンピュータと言ってもその種類は多々あります。
その主要な種類として以下のようなものが存在しますので、それぞれ補足説明していきます。

  • アナログコンピュータ
  • デジタルコンピュータ
  • パーソナルコンピュータ/PC
  • スーパーコンピュータ
  • ウェアラブルコンピュータ

※アナログコンピュータ及びデジタルコンピュータに関してはアナログとデジタルの意味を理解している必要があります。ある程度は噛み砕いて説明していきますが、よく知らない方は以下の記事を参考にしてみてください。

アナログコンピュータとは?

アナログコンピュータ[analog computer]とは、データをデジタルに変換せずにアナログのまま演算処理するコンピュータのことです。
ある信号の瞬時値(その瞬間の値)が1[V]なら1[V]のまま取り扱いますし、5[V]だったら5[V]として取り扱うのです。

アナログコンピュータは、専門的な仕事をしていなければお目にかかれることはないコンピュータです。
何故見かけることがないのかというと、私たちが日常的に使用しているコンピュータは後述のデジタルコンピュータに置き換わっているからです。

アナログコンピュータは、流動的なデータをそのまま取り込みます。
なので、生のデータをそのまま取り扱えるという明確なメリットがあります。
一度デジタル化すると端数を切り捨てたりして近似値で表現することになってしまうので、その時点で本来の値とは差が生じてしまいます。

また、アナログデータのままだと加算や減算などを行う際、演算を行わなくても信号をそのまま重ね合わせればリアルタイムに結果が得られるという利点もあります。

上記のような利点を加味して、弾道予測・潮位予測などの専門的な分野ではアナログコンピュータが使用されていたりします

ただ、問題点も多く、流動的なデータを保存するとなるとデータ量は膨大になりますし、流動的なデータの再現は難しい上にノイズの影響を受けやすくなります。

デジタルコンピュータとは?

デジタルコンピュータ[digital computer]とは、自然界に存在するアナログデータをデジタルデータに変換して演算処理するコンピュータのことです。
あらゆる情報を“0”と“1”の組み合わせ、2進法で表現します。
2進法が何なのかわかっていない場合は以下の記事を参考にしてみてください。

例えば、アナログ値で10Vの電圧を1010のような“0”と“1”の羅列で表現したり、電気信号が入力された場合は“1”で何も入力されていない場合は“0”という具合に表現したりします。
このアナログ値をデジタル値に変換する際、分解能(分解する能力の程度のこと、「分解能が高い」=「より細かく表現できる」)に応じて値を検出します。

例えば、温度測定をした際に、リアルタイムでの温度変化情報を取得してしまうと、データ量が膨大になります。
しかも、ノイズ発生による値の変化なんかもしっかり検出されてしまう為、必要以上にデータがばらける可能性もあります。

そこで、分解能を設定して開始から10秒経過毎に±1秒区間の温度の平均値を計算したデジタル値を取得するようにしたとします。
その取得データを繋ぎ合わせればグラフは作れますし、平均値を取得しているから突発的なノイズの影響もある程度無視できるでしょう?
なので、データをデジタル化した場合、データ量・データの取り扱いやすさ・ノイズ耐性・データの正確性・データの再現性などがアナログコンピュータと比較して優れたものになります。

その為、一般普及しているのはデジタルコンピュータなのです。
まあ、一部をアナログ形式で演算処理したりという具合に、デジタルとアナログのハイブリッドになっているコンピュータも存在しますけどね。

パーソナルコンピュータ/PCとは?

パーソナルコンピュータとは、英語で[personal computer]と書きます。
省略してパソコンPCと呼ばれていることが一般的です。
[personal]は[個人的・個人の]という意味です。
つまり、個人使用を目的としたコンピュータのことをパーソナルコンピュータと呼びます。
要するに、家にある個人持ちのコンピュータや、会社で個人に支給されるコンピュータがパーソナルコンピュータに当たります

パーソナルコンピュータは個人持ちのコンピュータなので、比較的小型なものが多いです。
英語の意味を知らないと仰々しい名称でどんなコンピュータなのかと思うかもしれませんが、一般的にイメージするただのパソコンのことなのです。

種類は、ディスプレイとキーボードの二枚の板状の部品を重ねた構造で持ち運び可能なノートパソコン、文字通り机の上に置いて持ち運びを想定していないデスクトップパソコンに分類されます。
…デスクトップパソコンとか中学生の授業で見たのが最後かな?

スーパーコンピュータとは?

スーパーコンピュータとは、英語で[supercomputer]と書きます。
[super(素晴らしい)]なコンピュータです。
つまり、超高性能なコンピュータのことです。
略してスパコンと呼ばれていることが多いです。

どのくらい高性能なのかというと、定義はありません。
その時点での最高性能の電子部品・最先端の技術をふんだんに使って開発した“現時点で最高の”コンピュータを指しています

性能もお値段も普通のコンピュータとは比べ物にならないほど高いです。
最高の素材・最高の器材・最高の料理人が合わさってできた料理みたいなイメージをしてくれれば良いかと思います。
どれも“最高”なんてものはその時々で変化するでしょう?

スーパーコンピュータは、大学・研究所・企業・機関といった場所に設置されることが多く、大規模な計算処理を行っています。
名称通りすごいコンピュータだということですね。

ウェアラブルコンピュータとは?

ウェアラブルコンピュータとは、英語で[wearable computer]と書きます。
[着用可能なコンピュータ]です。
つまり、ウェアラブルコンピュータとは、装着して使用することを想定したコンピュータのことです。
具体的に言うと、身体のどこかしらに装着してどこでも使用できるようにしたり、小型化軽量化に注力した近未来的なコンピュータを指しています

スマートフォンは手に装着するコンピュータみたいなものなので、ウェアラブルコンピュータ一歩手前くらいのコンピュータですね。
スマートフォン依存症の方はウェアラブルコンピュータになっているといっても過言ではないでしょうけどね(笑)

アニメやゲームで、腕時計型・イヤホン型・コンタクト型・ネックレス型のコンピュータ(通信・分析装置)ってよくあるじゃないですか。
ゴール○ンアイの腕時計とか、コ○ンの追跡メガネとか、ドラ○ンボールのスカウターとか、家庭教師ヒットマンリ○ーンのXバーナー用のコンタクトとかです。
ウェアラブルコンピュータのイメージはこれらの空想上の装置です。
『ふん、戦闘力5か。ゴミめ。』ができるようになります。

…生きている間に空想上のものではなくなるといいんですけどね。
ゲームなどにはなっているんですけど、もうちょっとこう…ロマンを感じるようなものが欲しいところです。

以上、「そもそもコンピュータとは何なのか」についての説明でした。