【基礎から学ぶデシベル表示】 dBm/dBμ/dmu/dBVの計算

電気電子
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世の中には様々な単位が存在しますが、どこかしらでデシベル/dBという単位を見聞きしたことはありませんか?
私はあまり記憶に残っていないのですが、中学・高校辺りで習ったような気がします。
本記事では、デシベルとはどんなものなのか・どういった表現方法があるのかなどをまとめてみました。

今回は、dBm/dBμ/dmu/dBVの計算についての説明です。

1.dBmとは?dBμとは?

デシベル表示の中には、dBmdBμという変わった単位があります。
仮に電圧の単位がdBmやdBμになっていたとします。
この場合、前者は1mVを0dBmと定義した時の電圧の単位後者は1μVを0dBμと定義した時の電圧の単位を意味します。
こんな感じに基準を設けてあるのです。

言葉ではわかりづらいので、何個か例を挙げて説明していこうと思います。

『そもそもdBって何?』という方は先に以下の記事を読んでください。

【基礎から学ぶデシベル表示】 dBとは何なのか? ~利得・ゲインの計算~
世の中には様々な単位が存在しますが、どこかしらでデシベル/dBという単位を見聞きしたことはありませんか?私はあまり記憶に残っていないのですが、中学・高校辺りで習ったような気がします。本記事では、デシベルとはどんなものなのか・どういった表現方法があるのかなどをまとめてみました。今回はdB・デシベルについてです。

2.dBuとは?dBvとは?dBVとは?

dBμという単位があるという話をしましたが、似たような見た目の単位としてdBuが存在します。
[μ(ミュー)]ではなく[u(ユー)]です。

dBuとは、音響機器で用いられることのある電圧(信号)の大きさの単位のことです。
厳密には、0dBを0.775Vと定義した時の電圧の単位がdBuとなります。
なので、0dBuは0.775Vということになります。

dBuと全く同じ単位としてdBvというものもあるのですが、dBvの他にdBV(民生機器で用いられる単位で、0dBV=1.0Vと定義)という単位も存在します。
見た目は小文字と大文字の差しかないんですよね。
その為、dBvだと非常に紛らわしいので、dBuが使われるようになったという経緯があります。

基本的にdBuの使用を推奨されていますが、dBvが使用されないというわけではありません。

ちなみに、0.775Vという数値は、600Ωの抵抗で1mWの電力を消費する際の電圧として定められています。
…なんで600Ωなんでしょうね?

3.実際の計算例①

問)100mVは何dBm?

電圧利得をGv、電圧増幅度をAvと置くと、電圧利得は以下のように表せます。

Gv=20log10Av

1mVの時が0dBmなので、20log10(1mV)=20log10(100mV)=0dBmというように考えます。

なので、100mVの場合は以下のように考えます。

20log10(100mV)=20log10(102mV)=40dBm

ということで、100mVは40dBmです。

4.実際の計算例②

問)100mVは何dBμ?

先程はdBmで表しましたが、今度はdBμで表してみましょう。

1μVの時が0dBμなので、20log10(1μV)=20log10(100μV)=0dBμというように考えます。
基本の考え方は同じなのです。

なので、100mVの場合は以下のように考えます。

20log10(100mV)=20log10(105μV)=100dBμ

ということで、100mVは100dBμです。

5.実際の計算例③

問)10dBmは何mW?

電力利得をGp、電力増幅度をApと置くと、電力利得は以下のように表せます。

Gp=10log10Ap

1mWの時が0dBmなので、10log10(1mW)=10log10(100mW)=0dBmというように考えます。

なので、10dBmの場合は以下のように考えます。

10=10log10(ApmW)
1=log10(ApmW)
Ap=101=10

ということで、10dBmは10mWです。

6.実際の計算例④

問)-10dBmは何mW?

次に、マイナスの場合を考えていきます。
まあ、考え方は変わりませんけどね。

-10=10log10(ApmW)
-1=log10(ApmW)
Ap=10-1=0.1

ということで、-10dBmは0.1mWです。

7.実際の計算例⑤

問)0.775Vは何dBu?

次はdBuの計算例です。

電圧利得をGV、電圧(実効値)をVrmsと置くと、電圧利得は以下のように表せます。

GV=20log10(Vrms/0.775)

しれっと電圧を実効値だと述べていますが、電圧増幅度に関しては総じて実効値となります
電力比を示すために定義しているのに、一瞬の値であるピーク値なわけないですからね。

計算するまでもなく0.775Vの時に0dBuと定義されているので、答えは0dBuだとわかっています。
式に代入して確認すると、以下のようになります。

20log10(0.775/0.775)=20log101=0dBu

ということで、0.775Vは0dBuです。

8.実際の計算例⑥

問)1.0Vは何dBV?

最後はdBVの計算についても見ておきましょう。

電圧利得をGV、電圧(実効値)をVrmsと置くと、電圧利得は以下のように表せます。

GV=20log10Vrms

Vrmsに1.0Vを代入すると、以下のようになります。

20log101=0dBV

dBVはそもそも0dBV=1.0Vと定義されているので、それを確認しただけですね。

定義さえしっかり押さえておけばなんとかなるので、迷ったら定義を書き出すといいですよ?

以上、dBm/dBμ/dmu/dBVの計算についての説明でした。